四国の名湯「道後温泉」その1|由緒ある本館でゆるりと湯浴み【魅惑の温泉案内 第84回】

愛媛県松山市に湧く道後温泉は『日本書紀』に登場する温泉として、有馬温泉(兵庫県)、白浜温泉(和歌山県)とともに、日本三古湯と呼ばれています。温泉街の中心には、国の重要文化財に指定されている道後温泉本館が威風堂々の姿をみせます。朝6時、建物の上に乗る振鷺閣(しんろかく)から太鼓の音が響き、開館を知らせます。

道後温泉本館には神の湯と霊(たま)の湯という2か所の浴場があり、4つの入浴コースが組まれています。神の湯は地元の人が銭湯感覚で利用するアットホームな雰囲気、霊の湯は神の湯とは異なる落ち着いた雰囲気です。神の湯を利用するコースは入浴のみと2階の休憩室を利用するコース、霊の湯利用では2階の休憩室利用コースと、3階の個室利用コースに分かれます。

休憩では浴衣の貸し出しと、お茶とお菓子の接待を受けます。火照った体を休めながら、戦前に建てられた近代和風建築の独特の湯屋の雰囲気を楽しんでください。館内には又新殿(ゆうしんでん)という皇室専用の湯殿があり、見学可能。昭和天皇も来浴されています。温泉の泉質はアルカリ性の単純泉で、美肌の湯です。

道後温泉本館

取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。

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