岡山県真庭市にある湯原(ゆばら)温泉は、湯郷(ゆのごう)、奥津とともに美作(みまさか)三湯と呼ばれる名湯です。弥生時代にはたたら製鉄に従事する人々の療養湯として利用されていたといわれています。
湯原ダムの下流、旭川沿いに温泉街が広がり、源泉は15あり、旭川の川底からもふつふつと湯が湧き出ています。
このダムの下にあるのが名物の共同露天風呂「砂湯」です。住民により管理され無料で開放され、昭和52年に発表された露天風呂番付では、西の横綱に選ばれています。
温泉は混浴ですが、女性はバスタオルを巻いて入浴することができます。アルカリ性の単純温泉が心地いいので、混浴に抵抗がある方は、足湯だけでもぜひ楽しんでください。
湯原温泉では温泉の正しい知識や入浴法をガイドする「温泉指南役」養成セミナーを開いています。受講後は温泉指南役のライセンスがもらえます。
また、入浴と人間ドックがセットになった「湯けむりドック」プランを実施する宿があり、温泉旅行のついでに気軽に健康チェックをすることができます。
取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。