ロコモやサルコペニア対策にも!ケアリングフード的「たんぱく質の上手な摂り方」とは?【エピキュール藤春シェフのケアリングフード講座 第4回】

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お肉は肥満の原因になる、血液をドロドロにするなど、体に悪いイメージがあり、特にサライ世代では肉を敬遠している人も多く見られます。

しかし、あまりに肉を食べないとたんぱく質不足になり、ロコモティブシンドローム(ロコモ、骨や関節や筋肉に支障を来し運動障害を起こすこと)や、サルコペニア(筋肉量の減少症)といったシニア世代特有の症状を引き起こす危険性もあります。

ロコモ・サルコペニア対策のためにも、しっかり筋肉量をつける必要があります。では、良質なたんぱく質はどんな食材から摂れるのでしょうか? また、どのように摂取すれば効果的なのでしょうか?

東京・元麻布のレストラン「エピキュール」の藤春幸治(ふじはる・こうじ)シェフ が自身の提唱する“体に良くて、しかも美味しい”「ケアリングフード」の考え方に基づきたんぱく質の上手な摂り方をレクチャーします。

ケアリングフードとは、糖質コントロールや、グルテンフリー、アンチエイジングなど、ひとりひとりの理念に寄り添い、同じ食卓で美味しく食べたいものを召し上がっていただけるための調理法であり、体にとって最高・最善の食材を選ぶ基準です。

では、さっそくお話を伺っていきましょう。

藤春シェフ監修の『ヒルズ・エピキュール』シリーズより、「しっとり鶏むね肉と野菜のポトフ」

藤春シェフ監修の『ヒルズ・エピキュール』シリーズより、「しっとり鶏むね肉と野菜のポトフ」

■パサパサにならない調理法で美味しく!鶏ムネ肉で良質なたんぱく質を摂りましょう。

おすすめのたんぱく源は、鶏ムネ肉や豚ヒレ肉、牛モモ肉など高たんぱくで低脂質なお肉です。なかでも、鶏ムネ肉はカルノシンという抗酸化作用のある成分が豊富で、老化の原因といわれる活性酸素に働きかけるだけでなく、さらに疲労回復効果も期待でき、サライ世代の方々にぴったりの食材ではないでしょうか。

値段が手ごろで、普段の食生活に取り入れやすいのも鶏ムネ肉の良さです。

ただし、下手に火を通すと固くなったりパサパサになったり、調理しにくいのが難点です。ご家庭で美味しく調理するための一番のポイントは、高温で煮たり焼いたりせず、お肉に含まれている水分を外に逃さず調理することです。

ジッパー付きの保存袋で真空低温調理するとしっとり美味しくゆで上がります。詳しい調理法は、私の著書でもご紹介していますのでぜひこちらも参考になさってください。

なお、お肉以外で上質なたんぱく質を摂取するには大豆がおすすめです。豆類の中でも特にたんぱく質が豊富で、あずきやいんげん豆に比べて約5倍以上含まれています。つまり、大豆は食べる量が少なくても、しっかりたんぱく質が摂れるのです。

私が監修しているおせちでも、黒豆の代わりに黒大豆を使って、より多くのたんぱく質を摂っていただけるようにしているんですよ。

■お肉などのたんぱく質は食物繊維と一緒に摂るとさらに良い!

藤春シェフ監修の『ヒルズ・エピキュール』シリーズより、「やわらか鶏むね肉のカレー風味香草ソース」

藤春シェフ監修の『ヒルズ・エピキュール』シリーズより、「やわらか鶏むね肉のカレー風味香草ソース」

肉などたんぱく質は、ネギやキノコなど食物繊維豊富な食材と一緒に摂るのがおすすめです。腸内環境を整えるとともに、たんぱくを分解する腎臓への負担を軽減できるといわれています。

また、お肉やお魚だけを食べていると、どうしてもごはんなど炭水化物が食べたくなりますが、食物繊維を一緒に食べることでその衝動が和らぎます。味や食感が変化して食事が楽しくなり、また、お肉やお魚との相乗効果でさらに美味しく感じられ満足感が得られやすくなるからです。

それでも炭水化物が食べたいときは、無理に我慢をせずに炭水化物を食べましょう。

*  *  *

ケアリングフードというのは、「あれはダメ、これはダメ」というような、いわゆる“制限食”ではありません。状況にあわせて食材や調理方法を選択することなので、こういった場合は、糖質を抑えながら摂取できる炭水化物である、低GI食品の玄米を召し上がっていただくことをおすすめします。

無理は禁物です! お肉はダメ、炭水化物はダメ……、と特定の何かを“悪者”にするのではなく、トータルのバランスで食事を考えるようにしましょう。

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【藤春幸治シェフ プロフィール】
東京・元麻布「エピキュール」オーナーシェフ。日本における「ケアリングフード」の創案者。フレンチやイタリアンのレストラン、有名外資系ホテル、海外にて研鑽を積み、2014年にケアリングフードを提供するレストラン『エピキュール』をオープン。医師やトップアスリート、芸能人などからも支持を集めており、糖尿病や癌の患者など、様々な人への食事サポートの実績をもつ。著書に『あなたのカラダが21日で変わる「ケアリングフード」レシピ』(講談社)がある。家庭の食卓でも手軽にケアリングフードを取り入れられる冷凍食品『ヒルズ・エピキュール』おせち料理の監修にも携わっている。

取材・文/小野寺佑子

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