鬼と呼ばれた浮世絵師・月岡芳年の迫力満点の展覧会が、島根県益田市の島根県立石見美術館で開催されています。(~2017年2月13日まで)
幕末から明治にかけて、激動の時代を乗り越えて「絵の鬼」ともいえる激烈な、ときには静謐な浮世絵を世に送り続けた月岡芳年(つきおかよしとし、1839-1892)。
本展は、国内屈指の芳年コレクションである西井コレクションより、初期から晩年に至るまでの代表作を網羅した大回顧展です。武者絵、美人画、歴史画など幅広いジャンルから約250点を展観します。
本展の見どころを、島根県立石見美術館の専門学芸員、川西由里さんにうかがいました。
「芳年の浮世絵は描かれてから120年以上経つと思えないほど、斬新でかっこいいものばかりです。これは彼が、抜群の描写力に加え、構図や彩色に工夫を凝らし、人物にやや大げさなポーズをつけるなど、演出にも優れていたためです。
密度の濃い作品をたくさん展示しますので、じっくり味わおうとすると1回では観きれないと思います。観覧1回につき1枚、「芳年ヒーローズカード」(全20種)をプレゼントしますので、色々なキャラクターを集めながら、ぜひ何度も足を運んでいただきたいです」
芳年の魅力がすべて分かる決定版ともいえる展覧会です。ぜひ会場でご堪能下さい。
【芳年 YOSHITOSHI-激動の時代を生きた鬼才浮世絵師】
■会期/2016年12月23日(金・祝)~2017年2月13日(月)
■会場/島根県立石見美術館 展示室D
■住所/島根県益田市有明町5-15 島根県芸術文化センター「グラントワ」内
■電話番号/0856・31・1860
■料金/企画展:一般1000(800)円 大学生600(450)円 高中小生300(250)円 ( )内は20名以上の団体料金 ※高中小生の学校利用は無料、障がい者手帳所持者と介護者1名は無料
■開館時間/10時から18時30分まで(展示室への入場は18時まで)
■休館日/火曜日(ただし1月3日、31日は開館)、年末年始(12月28日~1月1日)
■アクセス/JR益田駅より徒歩約15分、益田駅より石見交通バス医光寺行きで「グラントワ前」下車
■公式サイト/http://www.grandtoit.jp/
取材・文/池田充枝
1989年「サライ」