天然雪100%という良質な雪質と初級者から上級者まで楽しめるスキー場に隣接する長野県北部の野沢温泉。外湯と呼ばれる13の共同浴場があり、外湯巡りが楽しめる温泉地です。
外湯の代表格が温泉街の中央に位置する「大湯」で、木造3層建ての情緒ある湯屋建築となっています。大湯の周りには土産物店や飲食店、旅館などが並び、風情が漂います。
野沢温泉は硫黄成分の濃い温泉で、13の外湯は少しずつ泉質が異なります。お湯は総じて熱く、入浴前に何度もかけ湯をすると体が湯の熱さに慣れてきますので、すぐに水でぬるめないようにしましょう。
温泉は地元の湯仲間という組織によって維持管理されるかけ流しの湯です。地元の方の湯処ですので、ぜひ湯船に浸かって、村の方との会話を楽しみたいものです。
温泉街には麻釜(おがま)という源泉の湯だまりがあります。ここでは、収穫した野沢菜を洗ったり、卵を茹でたりする光景を見ることができます。また、足湯と温泉玉子作りを体験する場所もあり、温泉街歩きに興を添えています。
野沢温泉では、スノーシューを履いて、幻想的な星空を楽しむツアーや、つる細工体験、ゴンドラリフトと雪上車で遊覧するツアーなどを用意しています。スキーをしない方にも信州の名湯とともに、雪国の楽しさを実感することができます。
取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。