山岳地帯を縫うようにして走る「山岳鉄道」の醍醐味は、車窓から見えるダイナミックな景色である。
今回は、とくに美しい景色が楽しめる“ヨーロッパの山岳鉄道”を、阪急交通社のツアー企画担当のお二方からの案内とともに、2つご紹介したい。
どちらも、日本では考えられないような、壮大なスケールの絶景が楽しめる鉄道だ。
■1:美しく険しい山を力強く駆け登る!アルプス「氷河特急」(スイス)
スイスの「氷河特急」は、アルプスの二大リゾートであるツェルマットとサン・モリッツ間を結ぶ鉄道で、終着駅まで7つの谷と291の橋、91のトンネルを越える。約270kmを約7時間半かけて走ることから、「世界で最も遅い特急」という異名を持つ。
「スイスでも1・2位の人気の氷河特急は、スイスに訪れたらぜひ乗車したい絶景列車です。人気の絶景ポイント『ランドヴァサー橋』も通過します。スイスならではの鉄道の旅をぜひお楽しみください」(阪急交通社・黒田亮さん)
■2:ノルウェー国鉄の最高傑作「フロム鉄道」(ノルウェー)
ノルウェーのミュールダールからフロムの間を、山を巻くようにして下っていくフロム鉄道。ノルウェー国鉄の最高傑作ともいわれており、車窓からはノルウェーの逞しい岩山や、緑豊かな渓谷を見ることができる。
「1940年に開通し、ノルウェー国鉄の最高傑作とされるフロム山岳鉄道は、世界中の鉄道ファンも愛する絶景列車です。深緑色の車体にレトロなオレンジ色の内装は趣があり、出発が待ち遠しく胸が高鳴ります。
標高2メートルのフロムから、867メートルのミュールダールまで約20キロ、標高差約900メートルの世界有数の急勾配を颯爽と走り抜けます。途中20のトンネルを通過し、車窓には深い峡谷を流れる川、斜面に張り付くような農場などが右から左へ次々に現れ、目が追いつかないほど絶景ばかりが訪れます。
目が離せず、座っていられず、車内には立ち上がって景色に見とれてしまう人もいるほどです。
途中5分ほど停車するショースの滝は、このフロム山岳鉄道でしか訪れることできない滝で、こちらも必見です。瞬きできずに過ぎてしまうあっという間の1時間は、まさに夢の路線です」(阪急交通社・長谷部陽さん)
* * *
以上、今回は美しい景色が楽しめる“ヨーロッパの山岳鉄道”を2つご紹介した。
ゴトゴトと心地よい揺れに身を任せ、車窓の向こうに自然が織り成す絶景を楽しむ山岳鉄道の旅。さて、どちらの鉄道に乗ってみよう?
【山岳鉄道に乗れるツアーについてのお問い合わせ】
阪急交通社トラピックス(電話:0570-08-8689)
(ナビダイヤル 月~金は9:30~17:30、土日祝は9:30~13:30)
※スイス「氷河特急」の旅
http://www.hankyu-travel.com/tour/detail_i.php?p_course_id=LE183K&p_hei=10
※ノルウェー「フロム鉄道」の旅
http://www.hankyu-travel.com/tour/detail_i.php?p_course_id=E912HY2&p_hei=10
文/オノハルコ(晴レノ日スタヂオ)
写真提供/阪急交通社