文・写真/梅本昌男(海外書き人クラブ/タイ・バンコク在住ライター)

運河物流が主流だった時代をしのばせる人気スポット。

タイ観光で人気な水上マーケット。まず名前があがるのがダムヌンサドゥアック水上マーケットですが、訪れているのは外国人観光客ばかりで、英語でのセールスに余念がない売り子たちも相まって“作られた感”を強く感じてしまいます。もちろん、SNS向けに映えますが……。

夜になると路地や橋は地元客で一杯になる。

一方、地元の人たちに人気なのがアンパワー水上マーケット。バンコクから西へ約90キロの所にあります。メークローン川がタイ湾に注ぎ込む河口近くにあるため、17世紀頃から、魚介類や周辺で採れる野菜などを売買する市が行われていました。その当時はボートが物流のメイン手段で、この運河を多くの船が行き交っていたのです。

川沿いの約500メートルに木製の古い伝統家屋が残り、そこではまだ人々が普通に暮らしていて、マーケットは週末のみ開かれています。

ノスタルジー感満載の家屋が並んでいる。

日本の昭和レトロブームのように、今、タイの若者の間でも古き良き時代を偲ぶノスタルジーブームが起きています。そんな彼らにとって、このマーケットは正に恰好の観光スポット。

レトログッズの値段も地元価格、ノートが20バーツ(約80円)。

川沿いの細い路地に並ぶのは食堂や雑貨、洋服の店。先述のように地元客がメインのため、料理やお土産の価格はとてもリーズナブルです。建物の上階が宿になっている場合もあり、イルミネーションに照らされる運河をゆっくりと部屋から眺めることもできます。

海と川の魚介類を気軽に味わえる。
カブトガニの値段は150~200バーツくらい(約600~800円)

そして、忘れてはいけないのがシーフード。先述のようにタイ湾に近いことから新鮮な魚介類を安価で食べることができます。日本では天然記念物のカブトガニも普通に屋台で売られています。

ホタルのボートツアーの料金は120~150バーツ(約480~600円)。

5~10月にはメークローン川をさかのぼった場所でホタル観賞もできます。水上マーケットからボートに乗って数十分、天然のホタルが川沿いに点々と生息しています。生息スポットにボートが近づくと、ホタルを驚かせないように船乗りはエンジンを停め、ゆっくり近づいていきます。すると、かすかな光がマングローブの木々の上に見えてきます。あまりに小さい光なのでカメラで撮るのは少し難しいです。ボートが動いているのでシャッター速度を遅くするとボヤけてしまいますし……。残念。

肉や魚介類、野菜、日用品などが並ぶ。

このアンパワー水上マーケットから約7キロの場所にメークロン市場があります。別名タラート・ロム・フッブ、タイ語で“傘をたたむ市場”。列車の走る線路の脇に屋台が並び、列車が来ないときは線路の上まで商品を置いています。顧客も線路の上を歩いて品物を吟味。

列車到着時刻になると今度は観光客が線路わきに並ぶ。

列車がそこを1日何回も通るのですが、お店の人たちは慣れたもので、時間が来ると日差し除けの傘をたたみ、商品を奥へ動かし、数分であっという間に片付けます。そして、列車が通り過ぎると何事もなかったように再び傘を出して商品を並べます。市場の別名はこの傘をたたむ行為が由来です。

列車はゆっくりとしたスピードで通り過ぎる。

列車の運行時刻は市場の近くにある駅でチェックできるので、その上で列車待ちをすれば良い写真が撮れるでしょう。

文・写真/梅本昌男
(タイ・バンコク在住ライター)。タイを含めた東南アジア各国で取材、JAL機内誌アゴラなどに執筆。観光からビジネス、グルメ、エンタテインメントまで幅広く網羅する。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」(https://www.kaigaikakibito.com/)会員。

 

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