純度100%の錫で、酒器や食器を製造する能作。400年もの鋳物技術の伝統を受け継ぐ町、富山県高岡市に創業して今年でちょうど100年になる鋳物メーカーである。
錫はイオンの効果により、水や酒の味わいをまろやかにするといわれている。それは古くから知られ、「錫の器に入れた水は腐らない」とか、「酒の雑味が消えておいしくなる」との言い伝えが残り、重用されてきた。
ただ、純度100%の錫は非常に柔らかく、素手で容易に曲げられるほどだ。これが難物で、機械仕上げなどとても無理なのである。そのため多くの場合は、他の金属素材を加えて硬い合金にして加工される。しかし、能作では錫の特性を最大限に生かそうと、純度100%の錫を使う。そのため製造は、すべて職人の手仕事だ。
それゆえ、金属でありながらも、どこか温かみのある姿に感じられる。実際に、錫のぐい呑みは柔らかく手に馴染む。また、熱伝導がよく、冷酒の冷たさがぐい呑みに伝わり、口元に当たるひんやりとした優しい感触も心地よい。心配はただひとつ。晩酌が長引いてしまうことである。
商品名/錫のぐい呑み
メーカー名/能作
価 格(消費税8%込み)/3,456円