洋服の埃を取るブラシには、伝統的に白馬の尾の毛が使われてきた。豚毛よりも馬毛のほうが軟らかく、さらに白馬のほうが柔軟性は上なのだという。もちろんコシが強いことも、洋服ブラシに採用されてきた理由である。
しかし、白馬の毛で埃は落ちたにしても、洋服そのものが静電気を帯びていたら、再び埃が寄り付いてしまう。埃を取ると同時に静電気も除去できないものだろうか。そんな発想で生まれたのがこのブラシである。
外縁に白馬の尾の毛だけを植え込んで、内側は静電気を除去するハイテク素材と白馬の尾の毛を混ぜ合わせて植え込んでいる。あくまでしなやかさを失わずに、静電気除去の機能を加えようという工夫だ。
製造は、東大阪市で昭和4年(1929)に創業した池本刷子工業。同社は、高機能、高感度の洋服ブラシを製造し、日本の洋装文化を陰で支えてきた。洋服ブラシのほか、歯ブラシ、ヘアブラシも世に送り続ける、日本製ブラシ製造界の西の雄といえる存在だ。
長年にわたり培われたブラシ作りの技と、現代の科学技術が融合した、機能的な洋服ブラシである。
商品名/静電気除去ブラシ
メーカー名/池本刷子工業
価 格(消費税8%込み)/6,480円