姫路産の白いなめし革は、その軽さとしなやかさ、強靭さから戦国武将の馬具や武具に使われていたが、戦後には型押しや彩色を加えた「姫革細工」が庶民にも親しまれるようになる。
現在、姫路で唯一この革細工を手がけるキャッスルレザーの4代目、水田久司氏は、そのこだわりを語る。
「時代に合わせて絵柄や形を変えているのはもちろん、ふだん使いしやすいように、色合いは優しく、柄は和モダンにしつらえています」(水田氏)
財布としての機能性も抜群。イタリアで愛されているギャルソンタイプの小銭入れを採用しているため、かぶせが大きく開き中身がひと目で見渡せる。さらに特筆すべきは、使い始めから手になじむ柔らかさだ。革は通常、頑丈にするためにプレスするが、破れにくいこの革は最初から1.4mmの薄さに仕上げられる。そのため、プレスをしない分、柔らかさが保てるのだ。
革製品は水に濡れるのが心配だが、表面はウレタンコーティングをして撥水性を高めてあるため、雨で濡れた手で触ってもシミがつくことはない。使い続けるにつれ、革の油で生成り色に変化して落ち着きが出る。天日干しをすれば白さが戻り、2通りの雰囲気を楽しめる。まさに一生ものの財布だ。
【今日の逸品】
姫革細工の長財布
キャッスルレザー
14,040円(消費税8%込み)