「能作」が製造する、錫製ちろり
日本酒の魅力のひとつは、常温、冷酒、燗酒と、異なる温度帯での楽しみ方ができること。とりわけ寒い季節に恋しくなるのが、燗酒ではないだろうか。そこでご紹介したいのが『ミニかんすけ・匠』。錫製ちろりに酒を注ぎ、湯を入れた陶器の湯煎器に約2~3分浸すと、程よい燗酒ができあがる。
本品を手がけたのは、東京都の業務用酒燗器メーカー「サンシン」。このところの日本酒消費量の減少を危惧し、個人向けに開発した。
「お燗は徳利と電子レンジを使って温める人が多いと思いますが、蓋がないので香りが飛ぶのが難点。また、電磁波は熱を対流させにくく、徳利も凹凸した形状なので、温度にムラができてしまいます」と、営業部の沼崎義明さん。
その点、本品は蓋で香りを閉じ込めるため、お燗に不向きな華やかな香りの吟醸酒も、ぬる燗程度に温めれば香り豊かに味わえる。
「湯煎器の湯量を調節すれば日向燗(約30℃)も熱燗(約50℃)も可能なので、新しい味わいを発見していただきたい」(沼崎さん)
錫ちろりは富山県高岡市の「能作」が製造。錫は柔らかく加工が難しい素材だが、能作は高岡に約400年伝わる鋳造技術で困難とされてきた錫100%を可能にした。また、錫は酒の雑味を取り、味をまろやかにするとされるため、錫ちろりの燗酒は格別となるのだ。
【今日の逸品】
ミニかんすけ・匠
サンシン×能作
22,000円~(消費税込み)