酒好きの方は、何かによらず理由をつけてお酒を召し上がりたいのが常。

「暑いから」と言って飲み、「寒いから」と言って飲み、「嬉しいから」と言って飲み、「悲しいから」と言って飲む……。飲むとなれば、必ず器が必要となります。瓶から一気飲みをするのも小粋とうつるかもしれませんが、それでは情緒がございません。かといって器であれば、何でも良いというわけではないでしょう。

お酒好きが高じて、器を収集するという方もいらっしゃいます。お酒の嗜好ごとに、器を揃えれば、その味も変わってくるのでしょう。

この記事では、お酒の時間をより愉しめる酒器を厳選してご紹介いたします。

1:華正蒔絵ガラスの盃とワイングラス

「漆芸 よした華正工房」と『サライ』が共同製作した、ガラスの盃とワイングラス

これまで歩んできた道のりに思いを馳せ、ゆっくりと自分や気の置けない仲間と語らい、グラスを傾ける宵が大人には必要なもの。そうした時間にふさわしい酒器を、「漆芸 よした華正工房」と『サライ』で共同開発しました。

ガラスの盃とワイングラスを特別なものにしているのは、「漆芸 よした華正工房」による蒔絵でしょう。「漆芸 よした華正工房」は、石川県加賀市にある加賀山中温泉で蒔絵技法を駆使した茶の道具漆器を製造する工房で、多くの茶人や数奇者を魅了してきました。

『華正蒔絵ガラス』には、「漆芸 よした華正工房」独自の技術によって、上質なガラスに天然漆で絵を手描きし、特殊な技法でガラスの底面に金沢金箔が貼り付けられています。

異国情緒あふれる、華正蒔絵の酒器

盃とワイングラスを彩るのは、『サライ』という誌名(ペルシア語で「宿」)を象徴する、『千夜一夜物語』や『東方見聞録』の世界。伝統的な蒔絵の手法で描かれています。

ガラスの盃の側面には砂漠の夜空に浮かぶ銀色の月が、そして、底にはラクダに跨った旅人が悠然と歩む姿。一方、ワイングラスのプレートの底には、夜の砂漠と月が金銀で表現され、キャラバンの商人たちとラクダのシルエットが浮かび上がる意匠が。

シルクロードを行く旅人の姿に自分を重ね合わせて、旅情を感じながら家での晩酌の時間を楽しむのも一興ではないでしょうか。

仕様:【盃】口径6×高さ5.5cm、約98g。容量50ml。
【ワイングラス】口径5.9(最大径7.9)×高さ21.3cm、約160g。容量355ml。
ともにガラス、天然漆、金。IH調理器、電子レンジ、食洗機使用不可。盃は熱燗使用可。日本製。

価格:【盃】13,200円
【ワイングラス】24,200円

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2:大堀相馬焼「innocent blue」酒器シリーズ

福島県浪江町の「大堀相馬焼」を未来へ繋ぐ

福島県浪江町の「大堀相馬焼」は、東日本大震災とその後の原発事故によって、存続の危機に陥った伝統工芸品。浪江町は避難区域となり、多くの職人たちは余儀なく町を出ました。

「大堀相馬焼のバトンを繋いでいかなければという使命感と、大好きな作陶を続けたいという純粋な思いを胸に、父と二人三脚で再興を目指しました」と言うのは、10代にわたり大堀相馬焼を手がける窯元・陶吉郎窯の近藤賢さん。大堀相馬焼を後世に残そうと奮闘する一人です。

浪江町を出て、いわき市に仮の工房を構えた近藤さんは、平成23年(2011)以降、大堀相馬焼の魅力を発信すべく精力的に活動を広げていきます。日展の工芸美術部門入選、日本現代工芸美術展入賞などを果たし、平成29年(2017)には伝統技術で新しいモノ作りに挑む「匠」を応援する大手自動車ブランド主催のプロジェクト「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」で、見事福島県代表に選出されました。

そこで生まれたのが、大堀相馬焼「innocent blue」酒器シリーズです。もともと観賞用オブジェだった「innocent blue」シリーズを、ふだん使いできる酒器にアレンジしています。

まいにち使いたくなる、使い心地のよさ

当品は印象的な意匠でありながら、使い心地のよさが特徴。飲み口や片口の注ぎ口は薄く仕上げられているので、口当たりのよさや注ぎやすさが追求されています。

独特の流線型は、大気や水の流れを表現したものです。これは、ろくろで陶土を円錐形に整えた後、あえて手で歪みをつけたもの。そのことによって、釉薬の濃淡ができ、波紋のような表情を生んでいるのです。

仕様:【片口】約横18×縦13×高さ8cm、約220g。容量約200ml。
【酒盃】約横10.5×縦9.5×高さ4cm、約80g。容量約50ml。
すべて磁器。電子レンジ、食洗機使用可。日本製。
※柔らかいスポンジ、中性洗剤使用推奨。
※汚れがひどいときは食器用漂白剤を使用してください。
※手作り品のため、サイズ、形、色合いが一点一点異なります。

価格:【片口(青白磁/瑠璃)】13,200円
【酒盃(青白磁/瑠璃)】11,000円

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3:津軽びいどろ あおもりの肴 盃セット

ガラス細工が印象的な、青森の伝統工芸品「津軽びいどろ」

艶やかなガラス細工が印象的な盃は、「津軽びいどろ」。昭和24年(1949)創業の北洋硝子が手がける青森の伝統工芸品です。

同社はかつて漁業用の浮玉を手がけていました。その製造で培った技術を用いて誕生したのが、こちらの盃です。「色柄は絵付けではなく、すべて色ガラスを使って表現しています。弊社独自の調合でその種類は100種類以上ありますが、門外不出のレシピです」と言うのは、工場長の中川洋之さん。

色ガラスのまぶし方や加熱具合、遠心力の回転速度で模様の出方が微妙に変わるといいます。各盃の美しい模様は、同社が長年培ってきた高度な技術の賜物です。

青森産の魚を色彩豊かに表現

この盃の特徴は、青森産の魚をイメージしているところです。具体的には、真鯛と鮪、鯖、鮃の特徴を色柄で表現しています。これは、新鮮な魚介類を肴に伝統工芸の盃で日本酒を味わってほしいとの考えから。

暑い日の晩酌には、この涼やかな盃が冷酒の旨味を引き出すのではないでしょうか。

仕様:セット内容は、盃真鯛・盃鮃は口径7.4×高さ4.7cm、約100g。容量85ml。盃鮪は口径6.5×高さ5.1cm、約123g。容量75ml。盃鯖は口径7.4×高さ4.4cm、約90g。容量50ml。すべてソーダガラス。IH調理器、電子レンジ、食洗機使用不可。日本製。
※手作りのため、寸法、容量、柄に個体差があります。

価格:5,500円

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4:石垣焼の晩酌セット

世界各地の美術館や博物館にも収蔵される、「石垣焼」

沖縄の揺らめく美しい海を表現した、「石垣焼」。このルーツは、与論島で金子喜八郎さんが手がける「よろん焼」にあります。平成11年(1999)、暖簾分けをし、息子の晴彦さんが石垣島に窯元を創立しました。

「石垣焼」は、漆黒の肌に無数の銀斑紋が現れる油滴天目に、マリンブルーとエメラルドグリーンの色みが浮かび上がる神秘的な焼き物です。「沖縄の美しい海を守り、後世に伝えたい」という想いが込められた作品は、その想いに共感を受けた世界各地の美術館や博物館に収蔵されています。

美ら海を感じる、一点ものの晩酌セット

片口は、手で持ったときにしっくりくるようにほんの少し幅をすぼめています。さらに、お酒がなめらかに注げるように成形された注ぎ口が特徴。ぐい呑みは油滴天目の側面をわずかに波打たせており、表情豊かです。自然発色のため、同じものは一つとしてないところも大きな魅力です。

思い立ってすぐに行くことはできない、沖縄。コレクションの一つに石垣焼を加えておけば、一献傾けるたびに沖縄の海を感じることができるのではないでしょうか。

仕様:セット内容は、片口1個とぐい呑み2個。片口は約縦12×横19×高さ5cm、約300~350g、容量約220ml。ぐい呑みは、1個当たり約直径6×高さ5cm、約90~120g、容量約40~50ml。陶器。電子レンジ、食洗機使用不可。日本製。
※すべてが手作りのため、寸法、色、柄に個体差がございます。

価格:19,525円

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5:色が透過するうすはり有田焼「エッグシェル」

職人が磨き上げた、透けるほど薄い純白の磁気

江戸時代から明治にかけて、輸出用食器として好評を博した「卵殻手(らんかくで)」と呼ばれる磁器をご存知でしょうか? その名の通り、卵の殻のように薄くて軽い器です。その幻ともいえる器を現代によみがえらせたのが、有田焼の「やま平窯」。国内外にある多くの日本料理店から支持されている、窯元です。

「海外に新しい感動を届けたい想いで、100年前に途絶えた技法の探究に取り組みました。照明器具に使用していた透光性のある陶土を独自に改良し、釉薬をかけずに焼成することで、透き通るほど薄い純白の器を生み出すことに成功したのです」と代表取締役の山本博文さん。

職人が何度も磨き上げることで、なめらかな手触りを実現。光にかざすと飲み物の色や気泡までほのかに透けて見えてくるから不思議です。

口当たりのよさをとことん追求

『エッグシェル』の特徴は薄さと軽さ。厚さは1mm以下なので、飲み物と口の間に段差が生じず、飲み物本来の旨味をストレートに味わえます。

5種類の器があるので、日本酒、ビール、ウイスキーなど飲み物に合わせて器を替えて楽しみたいところです。

ビール1缶(350ml)が入るビルスナー。ビールの色が、ほんのり色が透けているのがわかる。

仕様:【ビルスナー】口径7.3×高さ15.7cm、約91g。容量385ml。
【Kaori】口径6.5×高さ8.2cm、約55g。容量300ml。
【シルエットタンブラー】口径6.6×高さ12.3cm、約60g。容量280ml。
【ぐいのみ富士】口径4.5×高さ4cm、約18g。容量70ml。
【片口】縦8.3×横7.5×高さ9cm、約43g。容量250ml。
※すべて磁器(有田焼)。電子レンジ、食洗機使用不可。日本製。

価格:【ビルスナー】3,850円
【Kaori】3,850円
【シルエットタンブラー】4,950円
【ぐいのみ富士】3,520円
【片口】5,280円

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いかがでしたか、あなたを魅了する器はございましたでしょうか? こんな器でお酒を飲めば、一層お酒の味の深みも増すことでしょう。数に限りがある商品もございますので、お気に召したものがございましたら、お早めにコレクションにお加えください。

※すべて数量限定につき、売り切れとなる場合がございます。

編集/末原美裕・貝阿彌俊彦(京都メディアライン・HP:https://kyotomedialine.com FB
フォトムービー/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)

 

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