沖縄のたゆたう美しい海を表現した「石垣焼」は、漆黒の肌に無数の銀斑紋が現れる油滴天目に、マリンブルーとエメラルドグリーンの色みが浮かび上がる神秘的な焼き物だ。ルーツは与論島で金子喜八郎氏が手がける「よろん焼」。その暖簾分けとして平成11年、息子の晴彦氏が石垣島に窯元を創立した。沖縄の美しい海を守り、後世に伝えたいという想いが込められた作品は、その想いに共感を受けた世界各地の美術館や博物館に収蔵されている。
「油滴天目は釉薬に含まれる鉄分の結晶が表面に浮き出たものです。また、“石垣ブルー”と呼ばれる鮮やかな青色は、油滴天目に鉱石を砕いた天然の成分と無色透明なガラスを置き、窯で一緒に焼くことで現れます。自然発色のため同じものは一点もありません」と、製作及び販売担当の工藤晴美氏。
今回は石垣焼の片口とぐい呑み2個をセットでお届け。片口は手で持ったときにしっくりくるようにほんの少し幅をすぼめ、さらにお酒がなめらかに注げるように絶妙な口を成形した。ぐい呑みは油滴天目の側面をわずかに波打たせ、表情豊か。一献傾ければ、まるで沖縄の海の音が聞こえてきそうだ。
【今日の逸品】
石垣焼の晩酌セット
石垣焼窯元
19,525円(消費税込み)