街の雑踏という都会の風俗をテーマとして描かれた「雨傘」。印象派の手法に行き詰まりを感じたルノワールが、1881~82年のイタリア旅行をはさんで制作したもので、右に印象主義、左に古典主義の手法が見られる珍しい1枚として知られる。旅行前に描いたとされる画面右側の帽子をかぶる姉妹と母親らしき女性は印象派風の細かいタッチで輪郭線が曖昧に描かれ、青のベルベットの上着や帽子の羽根飾りの柔らかな質感が見事に表現される。一方、左側の女性や背後の男性などは帰国後に描かれた。はっきりとした模様が、イタリア旅行で触れた古典絵画の影響を表している。
【額装】
額の色は白、茶、ナチュラルを用意。ロンドン ナショナル・ギャラリー公認の証としてマットに金色のプレートが貼付。壁掛け可能。
【高品位美術印刷】
画稿はキヤノンが開発した高品位美術印刷技術により高品質・高細に複製。
インクに圧力や熱を加え「微粒子」に変えたうえで、直接紙に噴き付けて印刷しているので網点(ドット)がなく滑らかな印刷面となる手法。
この印刷は30~50年近く変色しない技術から国宝や重要文化財などのレプリカ製作にも応用されており、その品質は高い評価を得る。耐光性・演色性に優れ、高品質を長くお楽しみいただける。
【ピエール=オーギュスト・ルノワール(1842-1919)】
パリで磁器の絵付け職人として働いた後に、本格的に絵画に取り組む。人物画に優れた才能を発揮し生命力や幸福感に溢れる人物を柔らかであたたかな質感で数多く描いた。新古典主義の画家、アングルの線やデッサンに学び、印象派主義特有の豊かな色彩との融合を試み、独自の画風に到達。晩年は、幸せに満ちた理想の女性像を描き続けた。
【今日の逸品】
複製画「雨傘」/額装
『大人の逸品』オリジナル
10,000円(消費税込み)