アイペット損害保険株式会社(https://www.ipet-ins.com)が、保険金請求実績に基づく「保険金請求が多い傷病*のランキング」を発表しました。最近のペットの傷病にはどのようなものが多いのでしょうか? 犬や猫を飼われている方は、大切なペットの健康についてとても気になりますよね。傾向を知っておくことで、予防をしていけるといいですね。それぞれ詳しく見ていきましょう。
*疾病(病気)と傷害(ケガ)を総称した呼称
■保険金請求が多い傷病ランキング
犬の総合ランキングでは、3年連続で第1位「皮膚炎」、第2位「外耳炎」となりました。以下、「胃腸炎」と続き、飼い主が変化に気づきやすい傷病が上位を占めました。
猫の総合ランキングでは、3年連続「下痢」が第1位となっています。以下は「皮膚炎」、「腎臓病」が続きました。傷病傾向別に見ると、昨年同様、犬猫ともに「胃腸炎」、「下痢」、「嘔吐」などの消化器系疾患、猫の場合は、「腎臓病」、「膀胱炎」、「尿石症」など泌尿器系疾患が多く並びました。
■保険金請求が多い傷病ランキング【手術】
(アイペットの支払データに基づき、傷病毎の診療ケースを想定して獣医師が算出した参考金額)
※この参考診療費等のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。
犬の手術ランキング第1位は、昨年同様「腫瘍」でした。猫の手術ランキング第1位も、昨年同様「異物誤飲」でした。なお、第1位に限らず第5位までは昨年と同じ傷病名が並ぶ結果となっています。
犬の手術ランキング第1位「腫瘍」では、症状や腫瘍の種類、治療法によって処置は異なりますが、皮膚腫瘍を手術で取った場合、90,400円の診療費が発生することがあります。また、猫の第1位である「異物誤飲」の手術例では、開腹手術の場合220,800円の診療費が発生することがあります(これらは手術の一例であり、金額はあくまで参考です)。
■保険金請求が多い傷病ランキング
通院・入院・手術を総合した保険金請求件数
年齢別のランキングでは、昨年同様、犬猫ともに0歳では「下痢」が第1位となりました。子犬・子猫では免疫力が整っていなかったり、消化機能が発達していなかったりするため、飼い始めの様々な変化により下痢をしてしまうことがあるようです。また、犬では「外耳炎」、「皮膚炎」、「胃腸炎」、猫では「結膜炎」、「皮膚炎」、「胃腸炎」と炎症を起こす疾患がそれぞれ上位に入ってきています。また、犬の1~6歳は昨年と同様の結果となりました。
猫の1~6歳は、例年上位に挙がる「下痢」がランク外となり、代わりに「腎臓病」が3位に入りました。
一方、7歳以上のシニア期では、犬は「皮膚炎」、猫は「腎臓病」が昨年同様最多となったほか、犬猫ともに6歳以下にはない「腫瘍」が今年も上位に入っています。
加齢とともに起こる変化をつぶさに見守ってあげたいですね。
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今回の調査では、昨年と同様の結果が多く見られました。総合ランキングでは、犬は「皮膚炎」、猫は「下痢」が3年連続で最多となっています。犬猫共通の傾向として、前述のとおり消化器系疾患、さらに猫の場合は泌尿器系疾患も注意が必要であることがわかります。
近年の獣医療においては、長寿命化が進む犬猫ともに、人間と同じような病気にかかる可能性がわかってきています。多くの病気にとって、早期発見・早期治療が重要です。そして、「元気がない、食欲がない、吐く、便がいつもと違う」といった症状は、様々な病気を早期発見するうえで大変重要な症状だといえます。少しでも変化があるときには気づいてあげられるように、日々の様子をみてあげましょう。
また、手術ランキングでは、昨年と同じ傷病名が並びました。日々の生活の中では、突発的なアクシデントなどにより、急な通院や手術が必要となるシーンや、高額な診療費が発生するケースもあります。家族の大切なペットのために、いざというときにどういう対応をしたらいいかということを、事前に準備をしておけるといいですね。
【調査概要】
調査期間:2019年1月1日~12月31日
調査サンプル数:46,933件
調査方法:アイペットの保険金請求データを元にしたサンプル調査