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夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。火曜日は「暮らし・家計」をテーマに、川合俊一さんが執筆します。

文/川合俊一

この連載の初回に、僕はいま、トヨタ自動車ビーチバレーボール部のゼネラルマネージャー(GM)としての活動もしていることをお話しました。

トヨタのビーチバレーボール部は、現在、愛知県碧南市(へきなんし)にある衣浦(きぬうら)工場を本拠地としています。この工場に併設されているビーチバレーボール用の施設は、国内では最高水準といえるものです。

屋外コートが2面あるほか、なんと、国内最大の全天候型の屋内コートがあるのです。その屋内コートは2面あり、オーストラリアの砂を敷いています。

また、四方から太陽光を取り入れる構造になっていて、温水コイルによる床暖房や、世界初となる赤外線でコートを暖める放射パネルが設置されています。

まさに至れり尽くせりの施設で、ここで普段の練習ができる選手は幸せですね。と同時に、選手はこの施設に込められた“期待”にこたえようと、がんばっています。

2018年7月2日、衣浦工場内に完成した全天候型インドアビーチバレーコートの落成式があり、選手と一緒に記念撮影。

衣浦工場がある碧南市もビーチバレーに力を入れていて、三河湾に面した臨海部にビーチバレー用のコートを6面も作っているのです。

実は、ビーチバレー用コートを整備することを検討する際、「6面も作ってちゃんと利用されるのか」といった声があったそうです。
僕は、ビーチバレー用のコートが6面もできれば、ほかのビーチ系のスポーツでも使われることが多くなり、稼働率は心配ないでしょう、といったことを言いました。

実際に作ってみると、ビーチサッカーやビーチハンドボールのチーム・団体から、「試合や練習に使わせてほしい」という要望が数多く集まり、特にビーチハンドボールは、今年、全国大会が碧南市のコートで開かれることになったそうです(第20回全日本ビーチハンドボール選手権大会 8月25~26日開催)。

いま、トヨタは碧南市と連携して、2020年の東京五輪に向け、五輪種目であるビーチバレーボールによる地域振興をはかっています。

そうしたこともあって、衣浦工場ではビーチバレーボール熱が高まり、7月に工場内でビーチバレーボール大会を開催したところ、これがもう大盛況だったんですよ。

参加チームは1か月ほど、仕事の後にコートで練習して大会に挑んでいました。そして、優勝チームとビーチバレーボール部のチームで対戦をしたんです。

いやー、盛り上がったなぁ。

ウチのチームのメンバーには、ある程度は手加減するように指示しておいたんですが、手加減した状態だけでは、相手チームの人も、観客も物足りないと思ったので、本気のスパイクも何本か打っていました。相手がケガをしないようなやり方で、思いっきりバッコーン!と。

本気になった選手のスゴさを見せると、また盛り上がるんですよ。参加した方々も、かなり喜んでくれました(笑)。

大会後に社員の方と、選手や僕も一緒に入って記念撮影したり、ほんとに楽しいひとときでした。

トヨタのスポーツチームのメンバーは、野球も含めて、基本的には社員なんです。外国人選手など、プロ契約をしているのは一部だと思います。したがって、レギュラーになっている選手でも、普段は出社して仕事をしています。選手がほかの社員と日常的に接しているので、社員も身近に感じ、チームに対する愛着が自然と沸いてくるんですね。「同じ課の○○ちゃんが、今度試合に出るから応援しに行かなくちゃ」といった感じです。

そういう意味で、トヨタのスポーツチームは、昔ながらのアマチュアリズムを残しているといえるでしょう。これは、トヨタほどの規模を持つ企業としては、かなり珍しいことだと思います。

僕が富士フイルムのバレーボールチームに入っていたときも社員でした。当時も、社員1人1人がチームを応援している雰囲気があって、とてもいい感じでした。トヨタのビーチバレーボール部は、それを思い出させてくれます。

いま、地方経済の活性化の重要性がいろいろなところで叫ばれていますが、もしかすると、商業主義に走らない企業スポーツのあり方が、逆に経済活性化に効果があるかもしれません。

最近は、野球もサッカーも、どんどん地域密着型になってきていると思います。企業スポーツは、文字通り地元の企業が母体となるからこそ、社員はもちろん、企業がある地域の人たちも応援しようという気持ちになるわけです。

特に、衣浦工場には3000人以上の社員の方々が勤務しています。これほどの人数の方々が熱気を持って応援すれば、地域全体にその“熱”が伝わっていくのではないでしょうか。地域の活性化に、大いに効果があると思います。

トヨタのビーチバレーボールへの取り組みが、そのモデルケースになるように、僕もがんばりたいと思います。

最終回は、まったく僕らしくなく、かなり真面目な話になってしまいました。

また、どこかでお会いできればと思います。

そのときは、またバブル時代の話で盛り上がりましょう(笑)。

文/川合俊一(かわい・しゅんいち)
昭和38年、新潟県生まれ。タレント・日本バレーボール協会理事。バレーボール選手としてオリンピック2大会に出場(ロサンゼルス、ソウル)。

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