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文/川合俊一

僕が株式投資を始めたのは、1988年、社会人になって3年目の25歳のときでした。ソウルオリンピックも終わり、バレーボール選手としての競技人生にひと区切りがつき、仕事にも慣れてきた頃です。

当時はバブル全盛の時代。お金のある人は不動産を購入していましたが、僕は普通のサラリーマンなので、とても土地も買う余裕はない。そこで、友人に勧められて株式投資を始めたのです。ほとんどの株は上がっていきましたよ。僕が購入したのは、メーカーと印刷関係の銘柄で、もうバブルど真ん中というのはほんとにすごくて、いずれも約半年で株価は2倍になりました。その利益を頭金にして、自動車を購入しました。

日本体育大学在学中に全日本代表に選抜され、代表のキャプテンをつとめたこともあります。そして1990年に現役を引退しました。

ただ、その後、株式投資は休止します。バレーボール選手として現役を引退し、会社も辞めて、アメリカに行ったからです。いろいろなことを、いったんリセットしようとしたんです。
株式投資を再開したのは、日本に戻ってきてから。1999年に結婚をして、生活が落ち着いてきたこともあり、また株をやろうと思ったのです。

当時は、すでにバブル景気は崩壊していましたが、代わりに世の中にはITブームが起きていて、関連企業の株を中心に、株価は上昇していました。そのITバブルは2000年を境に崩壊しますが、僕の投資は順調で資産は膨らんでいったのです。その膨らんだ資産のほとんどは2006年の「ライブドアショック」で吹き飛んでしまうのですが、その話は別の機会にしましょう。

世の中の動きをチェックし、先読みして投資する

僕の株式投資のやり方は2つのパターンに分かれます。

1つは、何か大きなニュースが出たときに、そのニュースに関連する銘柄に投資するというパターン。

2つめは、個別銘柄の値動きや出来高に注目するやり方です。

2つめはやや専門的になりますので、今回は1つめに絞ってお話します。

ニュース関連の銘柄に投資するというやり方は、例えば、「日本の海域でメタンハイドレートが発掘された」というニュースが出たとします。

メタンハイドレートというのは、別名「燃える氷」と呼ばれる天然ガスの一種で、エネルギー資源として期待されている物質です。それが、愛知県と三重県の沖合で、世界で初めて海底から採掘されたというニュースが2013年3月に出たのです。

僕は、直感的に「これは株価の材料になる!」と判断し、関連会社を探し始めました。そして、海底を掘削する会社に目星をつけたのですが、それはすでに急上昇していました。やはり、みんな考えることは一緒です。

そのときは、船を持っている会社の株も上昇していたのですが、採掘したメタンハイドレードなどを運搬する海運会社を探すというところまで頭が回りませんでした。海運会社の株価上昇に気がついたときにはもう手遅れでしたが、いい勉強になりましたね。

もうひとつ、最近のケースを挙げましょう。2016年7月の『ポケモンGO』です。

たまたま、CNN(米国のニュース専門テレビ局)をテレビで観たときに、「ポケモン」という言葉が何度も聞こえてきました。

世界中でブームとなった『ポケモンGO』は、日本よりも先に海外でサービスが開始されていて、すでに米国では大ブレークをしていたため、CNNが報道をしていたのです。まだ日本ではほとんど話題になっていないときで、僕は、「ポケモンといえば任天堂だろう」ということで、早速調べ始めました。

そうこうしているうち、任天堂株は上がり始めたので、慌てて買ったのです。

日本でニュースになったのは、CNNで放送されてから4日後のことでした。その後、『ポケモンGO』は、収益的には任天堂にはそれほど寄与しないことが判明し、株価は下落するのですが、僕はその前のガツン!と上昇したときに売り抜けていたので、儲けることができました。

株式投資の格言に、「噂で買って事実で売る」というものがあります。噂が出た段階で買って、その噂が事実だとわかった段階で売れば、株式投資は成功するという意味を表していて、まさに、僕は『ポケモンGO』では、それを地で行くことができました。

以上のように、あるニュースが出たとき、その内容に関連する銘柄や、後々、関連しそうな銘柄を先読みして投資する、というのが僕のやり方です。

常にアンテナを張って、世の中の動きをチェックすることが必要になりますが、株式投資の醍醐味のひとつと言えるでしょう。

「連想ゲーム」のように、ニュースに関連しそうな企業を連想して探すのですが、見つけた会社が上場してないこともあるんですよね……(笑)。

ただ、このやり方は、売却するタイミングも大きなポイントになります。株価の上昇期間が短期間になりがちで、短期間で〝売り時〟を見つけなければならないからです。

自分の買った銘柄が上がってくると、人間の心理としては、どうしても「もっと上がるのではないか」と思ってしまいます。

そうして欲をかいているうちに、株価は下落に転じ、いつの間にか購入した株価にもどってしまう――なんてことは日常茶飯事。

売り時を見極めることは、株式投資では非常に重要なのです。

こうして僕も偉そうに語っていますが、何を隠そう、今でもしょっちゅう失敗していまして、この前も保有している銘柄の売り時を逃してしまいました。

株式市場は午前9時にオープンするのですが、オープン直後に株価は上がったものの、僕が起きて株価をチェックした10時には元に戻っていたんです。

普通なら、遅くとも9時前には起きているんですが、前日、『キングダム』という漫画の単行本を50巻大人買いして、16時間、ぶっ続けで朝まで読んでしまったんです。もうおもしろくて、途中でやめられなかったんですよね。

それで、起きたのが10時という……。自業自得でした(泣)。

文/川合俊一(かわい・しゅんいち)
昭和38年、新潟県生まれ。タレント・日本バレーボール協会理事。バレーボール選手としてオリンピック2大会に出場(ロサンゼルス、ソウル)。

撮影協力/Cafe Apartment 183

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