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暮らし

苗育ては子育て同然!種から苗をそだてる「育苗」やってみた【少しずつ始める田舎暮らし 第6回】

写真・文/柳澤史樹

日中は夏を思わせるような日があったかと思えば、朝夕はまだ涼しかったりする5月。木々が一斉に花を咲かせ、新緑へと移り変わる美しい姿を見せてくれるこの季節、畑仕事もいよいよシーズン到来です。

これまで少しずつ、神奈川県相模原市にある自然栽培農家『おだやか家』の畑で野菜づくりを教わってきた筆者ですが、今年の4月から初めて「育苗」にチャレンジしています。今回は、分けてもらったトマトとナスの種を蒔いて、自宅で苗を育てている様子を紹介します。

じつは種から苗を育てるなんて、小学校のアサガオ以来。果たしてうまくいくでしょうか?

■知られざる「種」のはなし

「わざわざ苗なんて育てなくても、ホームセンターとかで苗を買えばいいんじゃないの?」と思った方に、まず「種」の話をさせてください。

ホームセンターなどで一般的に売られている苗や種のほとんどは、背丈も揃い、品種改良により病気にも強く、効率よく大量生産できるのが特徴の「F1種」(えふわんしゅ)という一代限りの種です。種取りができないために農家さんも毎年種苗会社から種を買わねばならず、また生育のために肥料や農薬に頼る必要があります。

一方、おだやか家の野菜は、畑で前年栽培した野菜から「自家採種」したものや、固定種または在来種と呼ばれる種を使い、無肥料・無農薬の「自然栽培」というやり方で育てられています。

もちろん自分で種から苗まで育てる必要がありますし、自然栽培の野菜は肥料も農薬も使わないため、草刈りが必要で、形も成長も個性的ではありますが、本来の味がしっかりあり、生命力が感じられるのです。

では種から始まる育苗チャレンジの様子、さっそく紹介してまいりましょう!

■「よいしょ、よいしょ」と頑張る苗たちに日々高まる愛情

育苗トレーに、小さな種を一つ一つ丁寧に入れ、水をたっぷりあげます。今回は「世界一トマト」と「ステラミニトマト」という2種類のトマトと「田井沢(ていざ)ナス」というナスの種を使いました。

まさにゴマの粒のような種を一つ一つ。なんて繊細な作業なんだ……。

トマトの種、小さすぎる!

全て種まき完了!

その後は、発芽に適した温度や湿度をキープするためにビニール袋で覆ったり、ホットカーペットの上で日々様子を見ながら水をあげ、数日が経過したある日。

ついにヒョロっとした芽が!!

「なんだおい、カワイイじゃないか」というのが最初の感想。

それこそ寒い屋外や雨などに当たったら一発で死んでしまう。か弱い存在は、まさに人間の赤ちゃんと一緒なんだな、と感じました。

種をまいて1週間後のトマトくん。

特に「世界一トマト」は、発芽のとき湿度が高すぎたのか、1日で一気にヒョロヒョロ〜と伸びてしまい、トマトなのにモヤシっ子。大丈夫かな。

それでも毎日「よいしょ、よいしょ」と必死に生きようとする姿を見ていると、子どももいないのにまるで父親のような気分になるから不思議です。世のお父さんたちはこんな気分でお子さんを育てているんですね。

そうこうしているうちに、1週間ほど遅れてナスも発芽。

発芽後10日ほどで様子を見ながら、トレーから育苗ポットに移し、根がのびのびと育つ環境を整えてあげることに。移したとき、広い”個室”に移った彼らの喜びが伝わってきました。そうだよね、嬉しいよね、と。

日中は外に出し、風が強すぎれば屋内へ、そして夜はホットカーペットの上へ。そんなふうに気を配ってあげ、約1か月経ったいまの様子をご覧ください!

田井沢ナス!

ステラミニトマトも!

ヒョロヒョロだった世界一トマトも!

どうでしょうか? みんなよくがんばってるでしょう!?

え、私、もしや親バカでしょうか? 確かに自分でも不思議なほどの感覚なんです。

■驚くべき生命の神秘を実感できる

それにしてもあんなに小さな種から、水分と日光だけでここまでニョキニョキ出てくるなんて、生命の神秘に驚くばかり。さらにこれがどんどん大きくなってナスやトマトになるなんて……実がなった暁には私、泣くかもしれません。

今のところ初めての育苗チャレンジは順調といえそうです。もうしばらくしたら、いよいよ畑へ植え替え予定ですが、これから本格的に暑くなります。途中は梅雨も台風もあるし、虫も鳥も出てきますね。ああ、心配だ。

しかしここまで頑張ってくれた苗たち、この先もきっと大丈夫でしょう!

また折をみて畑の様子をお知らせします。

写真・文/柳澤史樹
フリーライター/ 自分史アドバイザー。歴史を楽しむ情報サイトや企業ファンサイトのマネージメント、ビジネスコンセプトやコピーの執筆、多数の著名人取材などの他、現在は一般社団法人 自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザーとして、個人の軌跡を残す「自分史」を活動の軸とする。2016年暮れ、地元横浜から相模原市緑区へ引越し、農的暮らしと執筆生活の両立へシフトチェンジ中。

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