「保険で資産運用する」とは、どういうことなのかご存じでしょうか? 保険の中には貯蓄性のある商品や、支払った保険料よりも満期の受取金や解約返戻金が大きくなる商品があります。どのような商品を選ぶことで資産運用が出来るのか? 今回は、「保険で資産運用する」ということについて詳しくみていきましょう。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
保険で資産運用する方法とは?
資産運用として保険を選択するメリット・デメリット
資産運用に向いている保険とは
まとめ

保険で資産運用する方法とは?

保険を使う、使わないにかかわらず、まずは資産運用とはどういうものなのか簡単におさらいしておきましょう。

資産運用とは?

資産運用とは、保有している資産(預貯金や株式、不動産など)を増やすために、さまざまな方法で投資や運用を行なうことをいいます。方法としては、株式投資・債券投資・投資信託・不動産投資などのリスク(値動きの幅・不確実性)のある金融商品を活用することが一般的です。

将来必要となる様々な資金を確保するために、リスクを管理しながら、資産形成することを目的としています。

保険を活用した資産運用とは?

保険を活用した資産運用は、主に貯蓄性のある保険が該当します。保険は基本的に、予定利率をもとに保険料が設定されます。将来受け取れる保険金・満期金・年金などは、予定利率が高ければ高いほど大きくなります。予定利率とは、生命保険の契約者に対して約束する運用利回りのこと。

保険契約者から預かった保険料の一部を、保険会社が資産運用するため、契約者は保険料を支払うことで間接的に資産運用しているといえるでしょう。通常の貯蓄性のある保険は、加入時にあらかじめ保険金額・満期保険金・年金額などが決まっています。しかし、返戻率(支払った保険料に対する受け取る満期金額や年金額などの割合)が100%を超えるケースもあります。

また、返戻率が確定している場合は、リスクが小さい資産運用であると考えられます。一方で、変額保険はリスクのある投資信託などに投資して保険会社が運用することで、受け取れる保険金額・満期保険金・年金額などが変動しますので、一般的な資産運用に近いものになります。

一般的な資産運用は、投資対象を自分で選定して購入や売却も自分で行なうのに対して、保険の場合、契約者は保険に加入して保険料を支払うだけで、実際の運用は保険会社がするという点が大きく異なるところです。

資産運用として保険を選択するメリット・デメリット

資産運用として保険を選択することには、メリットとデメリットがあります。それぞれについてみていきましょう。

メリット

メリットとしては、以下の2つが挙げられます。

保障を兼ね備えている

資産運用が出来る保険に加入するメリットは、将来の資産形成だけでなく、万一の時の保障を兼ね備えていることにあります。保険商品の種類にもよりますが、死亡保障や病気やけがの保障など、基本的な保障や、被保険者が亡くなった場合に、その後の保険料払込が免除となるケースなども、メリットの一つと考えられるでしょう。

実際の資産運用は保険会社がしてくれる

一般的な資産運用のように、商品選定や売買などを自分自身で行なう必要はなく、保険に加入することで保険会社が運用してくれるということもメリットの一つです。

デメリット

続いて、デメリットを紹介します。

流動性に欠ける

解約すると保障が無くなってしまうことや、早期に解約する場合には解約返戻金が支払った保険料の総額よりも少なくなるケースがほとんどです。そのため、一度加入すると簡単には解約することができず、流動性に欠けることがデメリットと考えられます。

保険料が高い

支払う保険料は、大まかに言えば保障の部分と積立や運用の部分に充てられるため、同じ保険金額であれば保障のみの掛け捨てタイプの保険よりも保険料は高くなります。

運用効率が比較的低くなる

預けた保険料の一部は、保障の財源に使われるため全額が運用に回るわけではありません。その分、一般の資産運用よりも効率が劣る仕組みになっています。

保険を活用して資産運用するかどうか検討するには、メリットとデメリットを正しく理解しておくことをおすすめいたします。

資産運用に向いている保険とは

資産運用に向いている保険は、以下のものがあげられます。

外貨建て保険

米ドルや豪ドルなどの外貨で保険料を払い込み、保険金額を設定する保険です。保険会社が外貨で海外の公社債などに投資し運用するため、選択した外貨の金利や投資先によっては、大きな運用成果を望めます。相対的に、外貨の方が日本円よりも金利が高いため、満期保険金や年金、解約返戻金がより高額になることが期待できます。

ただし、為替リスクが伴うことや、一定の手数料がかかることを考慮に入れる必要があります。

変額保険

保険金額や解約返戻金が、運用によって変動する仕組みの保険です。契約者は、運用する金融商品を、保険会社が持つ特別勘定の中から選択します。支払った保険料を、積立金として保険会社が特別勘定で運用し、その運用結果によって保険金額や満期保険金や解約返戻金などが決まります。そのため、運用実績次第では、払い込んだ保険料よりも保険金や解約返戻金が大きく増える可能性があります。

反対に、元本割れを起こす可能性もあるというリスクも考慮する必要があります。

上記のような資産運用目的の保険は、毎月の保険料を積み立てていくよりも、一時払いした保険料を運用する方が効率が良いので、一時払契約の取扱いが多くなっています。

まとめ

「保険で資産運用する」ということについてみてきましたが、本来保険は「少ない掛金で大きな保障を得られる」ということから、万一の時の保障を準備しておくものです。保障を準備しながら資産運用も出来るということはメリットではありますが、いざ資金が必要となった時、解約して保障も無くなるということがないように、保険の加入の際に十分な検討をすることが重要です。

さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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