取材・文/ふじのあやこ

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

今回お話を伺った咲良さん(仮名・37歳)は27歳のときに職場で出会った男性と結婚、旦那さまと子どもとの三人暮らしですが、旦那さまの風俗通いから夫婦は今家庭内別居状態にあるとのこと。夫婦の話だったのにも関わらず、義母が大きく首を突っ込んできているのだとか。

「子どもを庇いたい気持ちはわかるのですが、最後のほうは何を言っているのか義母自身さえ理解していなかったと思います。この意味のない言い合いが発生したのも、すべて夫のせいです」

血のつながりは関係ないと思った父との関係

咲良さんは東京都出身で、両親と8歳下の妹との4人家族。現在の父親との血のつながりはなく、年の離れた妹とは義父姉妹とのこと。複雑な家庭を想像されることが多いそうですが、家族仲は悪くはないと咲良さんは語ります。

「実の父親は私が幼稚園に入る前に離婚しているので、記憶があまりなくて。小さい頃からある記憶はすべて今の父親です。私が小学校に入る直前で苗字が変わり、妹が生まれました。私の実の父親ではないことは小さい頃から知ってはいました。それが話されたこととして覚えているのか、小さい頃の記憶として残っているのかはわかりません……。

家族がずっと仲良くいられたのは、妹が家族をまとめてくれるような存在だったから。私にもとても懐いてくれたし、とても明るい子だったんです。ちょっと自由すぎて両親と妹が不仲になった時期はありましたが、今は仲良しですね」

父親との関係に悩まなかったのも妹がいてくれたからだそう。

「本当のお父さんじゃないから、みたいなことは一度もありませんでした。だって私よりも先に妹と父がまったく口をきかなくなり、父が妹に気を遣っている姿を何度も見ていたから。血がつながっていてもこんなにギクシャクするし、父親ってここまで娘に気を遣うものなんだなって思うと、妹と扱いが一緒じゃんってなったんですよ(苦笑)。妹に『臭い!』と言われてへこんでいる父を慰めるのはいつも私の役目でしたね。あまりに可哀そうだったから」

【秘密の社内恋愛からの授かり婚。妊娠の事実を会社には言えなかった。次ページに続きます】

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