生命保険には、大きく分けて「定期保険」と「終身保険」があります。前回の記事【終身保険の仕組み|いらないと言われる理由や払込満了後について解説】では、終身保険について解説しましたが、今回は「定期保険」についておさらいしつつ、終身保険との違いなどについてみていきましょう。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
定期保険とは?
定期保険の種類
定期保険と終身保険、どちらが得?
まとめ

定期保険とは?

まずは「定期保険」について、基本的な内容をおさらいしておきましょう。

定期保険とは?

定期保険とは、保険期間(保障期間)が決まっている保険のことです。基本的に保険料はいわゆる「掛け捨て」で、万一の事態が起こらないまま満期を迎えた場合は、そのまま契約終了となります。満期保険金の受け取りなどはありません。また、貯蓄性がないため、毎月の保険料は終身保険の保険料よりも低く設定されています。

定期保険は、特定の期間でできる限り保険料を抑えながら、手厚い保障を得たい人向けの商品といえるでしょう。

定期保険の保険期間

定期保険の保険期間には、「全期型」と「更新型」の2種類があります。

「全期型」とは

保険期間が長期にわたるケースが多く、65歳、70歳、80歳までなど、年齢で保険満了期間を決める「歳満了」の保険です。全期型は満了となると以降の更新はできず、保障が終了となりますので注意が必要です。保険料は、保険期間中一定で変わることはありません。

「更新型」とは

10年、15年など年数で区切る「年満了」の保険です。更新型は、所定の保障期間(保険会社によりますが、90歳までなど)まで、健康状態に関係なく自動的に更新できます。保険料は更新時期の年齢や、保険料率によって再計算されるため、更新後の保険料は高くなります。

定期保険の種類

一般的な定期保険の他にも、定期保険にはいくつか種類がありますが、代表的なものを3つ紹介します。

逓減定期保険

逓減定期保険(ていげんていきほけん)とは、保険金額が年数経過とともに次第に減少していく定期保険です。逓減率(保険金額が減っていく割合)は、保険商品ごとに設定されています。逓減定期保険の保険料は保険期間中一定ですが、保険金額が減っていくため、加入時の保険金額が同じ一般的な定期保険よりも安くなっています。

<図表1>逓減定期保険のイメージ

(株式会社SMILELIFE projectにて作成)

例えば、家族の生活を支える世帯主の場合、末子が生まれたタイミングに必要保障額が最大になります。一般的に、子どもの成長とともに必要保障額は減っていくため、逓減定期保険を活用されるケースがあります。

ただし、逓減率が決まっていることで、毎年の保険金額の減少のペースが実際の必要保障額の減少のペースと合わない場合も考えられますので、定期的に保険金額が適切かどうか確認する必要があります。

収入保障保険

収入保障保険とは、死亡保険金を一括で受け取るのではなく、毎月、毎年といった定期的なタイミングで分割して受け取るタイプの定期保険です。受け取れる死亡保険金の総額は、保険期間満了までの残り期間が少なくなるにつれて減少していきます。支払う保険料は、一般の定期保険より安くなります。

<図表2>収入保障保険のイメージ

(株式会社SMILELIFE projectにて作成)

逓減定期保険と同様に、子どもの成長とともに必要保障額が少なくなることを前提として加入する保険といえるでしょう。死亡保険金を一時金として、一括受け取りすることも選べますが、受け取る総額は一括受け取りのほうが少なくなります。

逓増定期保険

逓増定期保険とは、保険金額が段階的に増加していく定期保険です。逓増率(保険金額が増えていく割合)は、保険商品ごとに設定されています。この保険は、法人専用に設計された保険で法人契約として活用されています。

定期保険と終身保険、どちらが得?

定期保険と終身保険はどちらが得なのか? と考える人もいるかもしれません。定期保険と終身保険の主な違いについて解説します。

保険期間

定期保険は保険期間が定められているのに対して、終身保険は一生涯の保障となります。

保険料

同じ保険金額の場合、定期保険の保険料は終身保険の保険料よりも低く設定されています。

解約返戻金

定期保険は掛け捨てタイプのものが多く、解約しても解約返戻金がほとんどありません。一方で、終身保険には解約返戻金があり、解約すると解約返戻金を受け取ることが出来ます。

保険を組み合わせる

終身保険は、葬儀費用や遺品整理などにかかる部分などを想定した分のみの最低限の保障に抑え、定期保険と同等の保障を特約として付加することで、遺族の生活を守る「定期特約付終身保険」という契約形態が多くみられます。

それぞれの特徴を生かす

終身保険は解約返戻金もあり、保障も一生涯続きます。万一の時や解約した場合も、保険金や解約返戻金を受け取れることから、定期保険よりも得だと考える人もいます。しかし、大きな保障を得るためには、保険料が高いという側面があります。

定期保険は掛け捨てで、何事もなければ損であると考える人もいますが、割安な保険料で大きな保障を準備できていれば、万一のことが起きた場合、残された遺族にとって役に立つものであることは間違いありません。定期保険と終身保険のそれぞれの特徴を生かしつつ、組み合わせて活用することが出来れば、どちらが得か? という視点で考える必要はないのです。

まとめ

保険の内容や特徴を理解することは重要ですが、「万一に備えて安心を買う」という根本的な考え方を理解することも重要です。「損得」よりも、まずは「必要であるか?」「ライフプランに合っているか?」という視点が求められます。

さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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