前回の【「国債」とは?|国債の種類やメリット・デメリットを解説】(https://serai.jp/living/1184169)の中で、日本の国債を保有しているのは、日本銀行をはじめとする銀行や金融機関が大半であることをお伝えしましたが、個人向けにも国債は販売されています。今回は「個人向け国債」について、仕組みや購入方法などを詳しくみていきましょう。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
個人向け国債はどこで買う?
個人向け国債の仕組み
購入までの流れ
まとめ

個人向け国債はどこで買う?

個人向け国債を購入してみようと考えたとき、どこで購入したら良いのでしょうか? 個人向け国債は、多くの金融機関で購入することが出来ます。具体的には以下の場所で購入することができます。

金融機関や証券会社

都市銀行や地方銀行、信用金庫や信用組合、農協などの金融機関や証券会社などで国債を購入することができます。金融機関や証券会社は、国債の販売を仲介し、購入手続きをサポートしています。

WEBでの購入申込

国債は、店頭での販売はもちろんのことですが、WEBでの購入申込も可能です。店頭販売の金融機関よりは数が少ないですが、金融機関に出向く手間は省くことが出来ます。金融機関によって手数料や受けられるキャンペーンが異なるので、金融機関を選ぶポイントにするといいでしょう。

郵便局の窓口

国債は、郵便局の貯金窓口やゆうちょ銀行でも購入できます。ただし、郵便局の貯金窓口やゆうちょ銀行では現金での購入はできず、通常貯金口座からの引き落としになるので注意が必要です。

個人向け国債の仕組み

個人向け国債は、個人が購入しやすいように少額から購入することが可能で、最低保証金利をつけるなど工夫された国債です。その仕組みについてみていきましょう。

商品のタイプ

個人向け国債の商品は以下<図表1>のとおり、変動10年・固定5年・固定3年の3タイプから選べます。

<図表1>個人向け国債の商品性の比較

出典:財務省ホームページ 知る|個人向け国債|より抜粋
https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/main/guide/

金利タイプは、半年ごとに金利が見直される「変動金利」と、購入時の金利が期間中一定に適用される「固定金利」があり、いずれも年率0.05%の最低保証があります。

購入条件

どの商品も、最低1万円から1万円単位で購入することが出来ます。また、発行頻度は毎月(年12回)で、決められた購入期間内で購入することが出来ます。

金利と利子

金利は商品や募集回ごとに異なります。

<図表2>募集回・商品ごとの金利の例

(株式会社SMILELIFE projectにて作成)

利子は半年に1回(年2回)受け取ることができます。例えば、「令和6年4月4日~4月30日に募集の固定金利型5年満期」は金利が0.36%です。利子を年2回・5年間で10回受け取ることが出来ますが、金利は「年利」ですので1,000,000円分購入した場合、1回に受け取る利子は、

1,000,000円×0.36%÷2(年2回)=1,800円

合計は5年間で10回ですので、

1,800円×10回=18,000円

ということになります。無事に償還期限を迎えると、最初に投資した1,000,000円は目減りすることなく戻ってきますので、受け取る利子分がそのまま利益となります。

しかしながら、利益に対しては利子所得として、20.315%の税金が利払い時に源泉徴収されます。金融緩和政策による低金利が続いている現状では、大きなリターンは期待できず、収益性は高いとは言えません。

中途換金

発行後1年が経過すると、中途換金も可能です。中途換金すると「中途換金調整額」の名目で、「直前2回分の利子×0.79685」分の金額が差し引かれますので、注意が必要です。1年経過後すぐに、中途換金をするということのないように、計画性をもって購入することをおすすめいたします。

振替決済制度(ペーパーレス化)

振替決済制度とは、券面を発行せずにペーパーレス化し、口座によって取引を管理する制度です。平成15年1月以降に発行された国債は、国債証券(券面)が発行されません。

購入までの流れ

個人向け国債の購入は難しいことはないのですが、専用の口座開設などの手続が必要となります。購入までの流れについてみていきましょう。

1.購入先を決める

近くの取扱金融機関や、ネットで購入できる金融機関をチェックし、購入先を決めます。初めて国債を購入する場合は、国債を購入しようとする証券会社、銀行等の金融機関に国債専用の口座を開設する必要があります。

2.口座開設する

個人向け国債は、証券会社、銀行等の金融機関に開設された国債の口座で管理されることになります。しかし、金融機関によっては、口座の開設や口座の維持等に手数料が必要となることがあります。また、口座開設には金融機関によって、数日かかる場合がありますので詳細については、金融機関に確認しましょう。

開設の際には、運転免許証・マイナンバーカード・健康保険証などの本人確認ができる書類、マイナンバー(個人番号)、印鑑等が必要となります。

3.購入の申し込み

口座を開設したら、国債を購入します。国債は、発行日以前の一定期間(募集期間)に購入申し込みが可能ですが、金融機関等により取り扱っている国債の種類や募集期間が異なります。

また、国債を購入する場合には、購入代金、預金通帳、印鑑等が必要になります。詳しくは、口座を開設する金融機関等に確認しましょう。

まとめ

個人向け国債についてみてきましたがいかがだったでしょうか? ゼロ金利やマイナス金利といった金融緩和政策の下では国債は、あまり注目されることはありませんでしたが、最近では日銀による利上げがあるのではないか、と話題になっています。日本でも大幅な利上げの局面に入る場合には、個人向け国債は注目されるのかもしれません。

資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行なわれています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか? 

さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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