病気の娘に寄り添ってくれるパートナーは「ありがたい存在」に

病気になったことで体力面だけでなく、メンタル面にも不調が続き、彼からの提案で大阪府内にて同棲を始める。

子宮の病気が見つかったことで婦人科の検査には年に一度は受診を続けていたが、小さい病院の見落としにより、今年の始めに乳がんが見つかったときにはステージは2だった。手術と抗がん剤という見た目の変化が伴うことで家族に伝えることになる。親に寄り添ってもらいたくないという思いから、そのときに初めて彼の存在を打ち明けたという。

「ずっと良性の腫瘍だと言われていたのに、徐々に皮膚に癒着してそのしこりが動かなくなっていって、結局がんだったということがわかりました。

場所は違っても婦人科系の病気なので、乳がんを親に言いたくなかったんです。またひどい言葉を言われると思って。でも、彼から親には言ったほうがいいと説得されて、伝えることにしました。私は手術と抗がん剤で2回入院することになるので、親は心配して病院に付き添うと言いました。その頃はまだ新型コロナの状況も不安定で病院での面会は1日30分だけと決まっていたこともあって、断わったんです。そのときに身の回りのことをしてくれる人がいると、彼の存在を明らかにしました」

彼の存在を明かしたときに真子さんは結婚についてまた小言を言われると覚悟していたという。しかし、母親は彼のことを「ありがたい存在」と言うだけだった。

「拍子抜けしました。それだけ? って思いましたね。結婚について何も言ってこなかった理由は、もう40歳を超えて子どもも無理ということが母親の中で確定しているからなのか、自分の娘がもしかしたら死ぬかもしれないという恐怖でそれどころではないのかはわかりませんが。

やっと大きな治療がひと段落して、少しずつ日常に戻ってきました。両親と彼とは直接連絡を取ることはなく、私を挟んで間接的な交流はしています。私が実家に帰ったときには、『これを彼と一緒に食べなさい』といった感じで。パートナーという存在に対して親は無理に介入はしてこないことがわかりました」

結婚と違って事実婚は将来の不安がつきまとうと言われるが、3組に1組が離婚してしまう世の中では、その不安に大きな違いはないように感じる。海外では事実婚は当たり前となっている国もあるという。日本も事実婚が当たり前になるのは、そう遠くないのかもしれない。

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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