住宅を購入する際には、様々な諸費用がかかります。なかでも、「事務手数料」や「保証料」は高額となりがちですので、複数の金融機関で金利条件がほぼ同じ場合、手数料で比較することも選択肢の一つとなります。

今回は、「住宅ローンの手数料」について詳しくみていきます。あらかじめ資金を準備しておくためにも、「住宅ローンの手数料」とはどのようなものなのか事前に理解しておきましょう。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
住宅ローンの手数料とは
住宅ローンの事務取扱手数料のタイプ
住宅ローンの手数料と保証料の組み合わせ
まとめ

住宅ローンの手数料とは

住宅購入の際の諸費用については、【住宅ローンの諸費用はどのくらいかかる? 安く抑える方法を解説】 (https://serai.jp/living/1152731)でも解説しましたが、今回は高額となりがちな「住宅ローンの手数料」について詳しくみていきます。

「住宅ローンの手数料」とは、ローンを借り入れる際に金融機関に払う事務費用のことで、金融機関によって「事務取扱手数料」「融資手数料」「融資事務手数料」など呼び方は異なります。また、手数料の金額も金融機関ごとに異なり、同じ金融機関であっても借入金額によっても金額が変わります。ここでは、契約の際にかかる事務費用を「事務取扱手数料」と呼ぶこととします。

事務取扱手数料を支払うタイミング

事務取扱手数料を支払うタイミングは、融資が実行されたとき(借入時)になります。保証料を支払う場合も同じタイミングでの支払いです。

その他にも火災保険や地震保険、契約書に関わる印紙代なども借入時に支払いますので、その分の諸費用も準備しておく必要があります。

住宅ローンの手数料と保証料との違い

住宅ローンの諸費用には保証料も含まれますが、これは事務取扱手数料とは異なる費用です。保証料とは、住宅ローン契約者が保証会社と保証契約を結ぶ際にかかる費用で、事務取扱手数料とは別の費用になります。保証会社に支払うものです。

金融機関が指定した保証会社へ保証料を支払い、保証を付けることで万一ローンが返済できなくなった場合、契約者に代わり保証会社が住宅ローンの残額を金融機関に一括返済してくれます。

ただし、ローンの返済義務がなくなるわけでなく、契約者は保証会社に返済していくことになります。後述いたしますが、事務取扱手数料と保証料を組み合わせて支払うケースもありますので、この2つの費用の違いは理解しておきましょう。

住宅ローンの事務取扱手数料のタイプ

事務取扱手数料の設定は、「定額型」と「定率型」の2つのタイプがあります。

<定額型>

定額型は、借入金額にかかわらず事務手数料の金額が一定に設定されているタイプです。例えば、借入金額が3,000万円でも5,000万円でも、一定に決められた事務手数料を支払います。

そのため、借入金額が大きい人にとってはメリットとなりますが、一方で借入金額が少額の人にとっては負担が大きく感じるケースもあるかもしれません。事務取扱手数料の金額は金融機関ごとに異なり、3万3,000円~33万円程度と大きなばらつきがあります。

<定率型>

定率型は、借入金額に一定の料率を掛けて事務手数料の金額を計算するタイプです。一般的には、借入金額の2.2%程度と設定している金融機関が多く、借入金額が大きくなるにつれて支払う事務取扱手数料の金額も大きくなります。

そのため、定額型の場合とは反対に、借入金額が少額なほどメリットに感じるかもしれません。例えば、借入金額の2.2%で設定されているケースでの事務取扱手数料は、

借入金額2,000万円の場合、440,000円
借入金額5,000万円の場合、1,100,000円

となり、大きな差であることが分かります。

事務取扱手数料が、定額型か定率型かは金融機関ごとに異なります。定額型か定率型かいずれかを選択できるケースや、住宅ローンの商品によってあらかじめ決まっているケースがあるため、借り入れをする前に金融機関に確認しておきましょう。

住宅ローンの手数料と保証料の組み合わせ

住宅ローンの手数料は、金融機関に支払う事務取扱手数料だけでなく、保証会社に支払うケースもあります。金融機関によっては、保証料と事務取扱手数料を組み合わせてプラン設定しているところもあり、大きくは事務手数料型と保証料型の2タイプに分けられます。

<事務手数料型>

一般的に事務手数料型は、金融機関の事務取扱手数料だけ支払い、保証料は不要とするタイプです。

<保証料型>

保証料型は、さらに2つのタイプに分かれます。

保証料一括前払い型

保証料一括前払い型は、金融機関の事務手数料はかかりませんが、借入時に一括して保証料の支払いが必要になります。保証料は、借入金額および借入期間で決められています。

全借入期間分の保証料を一括で支払い、保証会社に対する事務取扱手数料も必要ですので、借入時の負担が大きくなります。

保証料金利上乗せ型

保証料金利上乗せ型は、保証料分を含めた金利を設定して、毎月の返済額に上乗せして支払うタイプになります。一般的には、「適用金利に0.2%上乗せ」といった設定の金融機関が多くなっています。

まとめ

今回は「住宅ローンの手数料」について詳しくみてきましたが、いかがだったでしょうか? 住宅ローンの事務取扱手数料や保証料は高額となるケースがありますので、借入れする金融機関を選択する際、事務手数料や保証料などについても条件の一つとして事前に調べて比較してみることをおすすめいたします。

資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行われています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか?

さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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