取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

韓国の女性DJが音楽イベントでの性被害を受けた問題が波紋を広げている。同意のない性的な行為は暴力であり、犯罪行為にあたる。内閣府によると『性暴力は、年齢、性別にかかわらず起こります。また、身近な人や夫婦・恋人の間でも起こります。』と定義されている。その内閣府が行った「男女間における暴力に関する調査」報告書(令和2年度)によると、女性の約4人に1人、男性の約5人に1人は、配偶者から被害を受けたことがあり、女性の約10人に1人は何度も受けているとのこと。

今回お話を伺ったみゆきさん(仮名・43歳)は現在夫と2人の子どもとの4人暮らし。「付き合って4か月でのスピード婚だったこともあり、結婚して数年間は新婚生活が続いているような気持ちでした」と語る。【その1はコチラ

一度夫を拒んだだけで「夫婦として続けていけない」

2人の子どもは3歳差。どちらも男の子で、下の子には重度のアレルギーがあった。別々の食事を用意しなければいけないこともあり、育児と家事だけでみゆきさんの体力は限界だった。

「卵アレルギーで、卵を避けた献立を作っているんですが、上の子は給食に出た卵を使った料理がおいしかったのか、卵料理を催促することもありました。そんなときは2つのメニューを食卓に出さなければいけない。卵が食べられない下の子がすねないように、卵料理以外のメニューを多く出さないといけませんでした。料理は元々嫌いではなかったですけど、その負担は大きかったですね。上の子がサッカーを始めたりと学校外での用事も増えたときでもあったし。

そんなときでも夫はまだ、ほぼ毎日のように求めてくるんです。私が生理のときさえもスキンシップは求めてきました」

それでもみゆきさんは夫を拒まなかった。しかし、限界はきた。下の子が小学校に進学後に夫に対する不満が爆発してしまい、夫は家に帰って来なくなってしまったという。

「拒まなかったのは、そのほうが楽だったからです。夫は不機嫌なときがあっても、他のことでケンカをしたとしても、夫婦生活の時間を持ったら機嫌が直りました。そこが満たされれば安定している優しい夫だったので。

でも、限界でした。そのときには夫の給料もグッと下がってしまっていて、やりくりなどの負担も重なっていて。そのときは結婚して10年ぐらいでした。それでも一切落ち着かずに求めてくる夫に対して気持ち悪いと思ってしまったんです。『もうそんな気持ちになれない』と伝えてしまったら、暴言をまくし立てられて、その後は『夫婦として続けていけない』と家を出て行ってしまいました」

【「妊娠してしまうのも怖い」 次ページに続きます】

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