葬式や法事の時に手にする数珠ですが、日常生活で使うことは滅多にありません。そのため、「数十年前に購入したものを今でも使っている」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか? 数珠は葬儀には欠かせない仏具であり、日頃から持ち歩くと厄除けのお守りにもなるようです。今回は、意外と知られていない数珠の奥深さについて、詳しく解説していきます。

この記事では「数珠の正しい知識」について、京都・滋賀で85年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。

もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。

目次
数珠とは
数珠の種類
数珠の使い方
宗派別の数珠(本式数珠)の持ち方
数珠のマナー
まとめ

数珠とは

数珠は、代表的な仏具のひとつで、仏式の葬儀には欠かせないものですが、何のためにするのか、どういう意味があるのかを知らずに使っている方が多いように思います。そこで、改めて数珠の意味や由来をご紹介します。

数珠の意味

数珠についている玉の数は、108個が基本です。なぜ108個なのかといいますと、人間には108の煩悩があり、この108個の煩悩を退散させるということから来ています。ただ、現代では使いやすさを優先させて、半分の54個のものなど玉数を減らしたものが主流です。

数珠の由来

古代インドのヒンドゥー教では念仏を唱えるときに、唱えた回数を数珠の玉で数えていました。それが仏教にも受け継がれ、念仏を唱えるときに数珠を使うようになったようです。そのことから数珠は、念珠(ねんじゅ)とも呼ばれています。

数珠の種類

数珠には大きく、本式数珠略式数珠の2つの種類があります。本式数珠(各宗派別)については、宗派別に数珠も異なりますし、持ち方も異なります。

本式数珠と略式数珠

本式数珠とは、各宗派の正式な数珠で、宗派によって大きく異なります。逆に略式数珠は、宗派を問わず使用できるものです。

数珠の素材や色

数珠の素材は一般的におおきく2つ、天然木と天然石です。また、天然木や天然石の中でも様々な種類があります。

数珠の使い方

一般的に使われる「略式数珠」あるいは「片手数珠」といわれるものの使い方、持ち方をご説明します。

略式数珠の種類

男性用と女性用があります。男性用と女性用の違いは玉の大きさの違いです。男性用の方は10~12ミリで、女性用は6~8ミリが一般的。また、お子様用の数珠もあります。子どもが数珠を持つ年齢などは、特に決まっていません。

略式数珠の使い方

数珠はポケットやバッグに入れ、いつでも取り出せるようにして葬儀に向かいます。傷防止のための専用の袋もありますので、そちらに入れておくと良いでしょう。

葬儀場で着席されたら、左手に持ちます。本式数珠は長いので2連にしておきましょう。なぜ左手なのかといいますと、左手は、仏様の世界と繋がるとされているから。また、右手は現生を繋ぐ手といわれており、この両手を重ね合わせることで、煩悩や不浄を清めてくださるのです。

略式数珠の持ち方

読経のときは、数珠を左手に持ち、膝の上に。その際、左手の4本指を数珠に通して親指で押さえておきます。房は手の甲の側に置きます。

念仏を唱え拝むとき、数珠は、左手の親指と人差し指の間に通したまま、房を下にして手の甲側に出し、両手をすり合わせます。数珠が長いものは、両手の親指と人差し指の間に通しますが、どちらの持ち方でも構いません。

宗派別の数珠(本式数珠)の持ち方

宗派別の数珠、いわゆる「本式数珠」について、各宗派別に説明していきます。

日蓮宗

日蓮宗の数珠は「法華数珠」と呼ばれるものです。特徴的なのは房の数で、大きな房が4本と、小さな房が1本出ています。房の色は特定されていませんが、日蓮正宗の方に限り、白い房のものが使われます。

持ち方は、
・右手側の甲に2本の房、左側の甲に小さい房1本を含む3本の房が来るように持つ
・数珠の輪を8の字にねじり、両手の中指にかける

天台宗

天台宗の玉はそろばんのような形をしているのが特徴的です。房は2つで、色は様々ありますが特定の色はありません。

持ち方は、
・房が出ている大きな玉(親玉)を上にする
・数珠を二重に巻いて左手親指と人差し指の間にかける
・拝むときは、房を手のひらの中に挟んで右手を重ねる

浄土宗

浄土宗の数珠は「日課数珠」と呼ばれているものです。2つの輪を重ね繋げた形のものです。男性用は九寸、女性用は八寸となっています。

持ち方は、
・合掌した手の両方の親指にかけて房を外側にする

真言宗

真言宗の数珠は「振分(ふりわけ)数珠」です。日蓮宗以外の宗派の方でも使える万能な数珠。また四国八十八か所巡りでもよく使われます。

持ち方は、
・房が左右それぞれの手の甲に垂れるように持つ
・それぞれの手の中指にかけて、そのまま手を合わせる

臨済宗・曹洞宗

臨済宗と曹洞宗の数珠は「看経(かんきん)念珠」と呼ばれます。曹洞宗の数珠は金属の輪が数珠の中に付いているのが特徴。それ以外は同じものです。

持ち方は、
・数珠を二重にして、左手の親指と人差し指の間にかけ房は真下に垂らす
・右手を合わせる

浄土真宗本願寺派

浄土真宗の数珠は男性用と女性用によって異なります。男性は基本的に「略式数珠」を使います。房の形状は紐房が一般的。女性は「門徒(もんと)数珠」を使います。

持ち方は、
・数珠を二重にする
・両手を合わせて親指と人差し指の間にかける
・合わせた両手の真下に房を垂らす

真宗大谷派

真宗大谷派の数珠は、本願寺派と同じです。

持ち方は、
・数珠を二重にする
・合わせた両手の上に房が来るようにして、親指と人差し指の間にかけ
・左の甲へ向けて垂らす

数珠のマナー

数珠に関する葬儀でのマナーについて解説します。

貸し借りはいけない

家族や友人などの間で、数珠の貸し借りはいけません。数珠を持っていくのを忘れた場合に、焼香の時に借りたくなる気持ちはわかりますが、仏と持ち主を繋ぐ道具と考えられていますので、共有することは望ましくないのです。忘れた場合、数珠がなくてもマナー違反とはなりません。

それは数珠ではない

数珠を日常的に使うことは何ら問題ありません。むしろお守りとしての役割もあって、日常的に持ち歩く方もおられます。似ているが非なるものの中に、パワーストーンブレスレットがあります。素材も数珠で使われるような水晶やアクアマリンなどがあります。パワーストーンブレスレットを数珠代わりに使っていいかというと、それは全くの別物です。葬儀などでお使いになられる数珠は必ず念珠といわれるものを使いましょう。

床や椅子に置かない

持ち歩く時は必ず手に持つかポケットに入れてください。一旦着席した後に席を離れられる場合も、必ず手にもっていきましょう。数珠は持ち主をお守りするものです。決して、座席の上や床に置いたまま離れてはなりません。

まとめ

仏具の中では一番身近にあるもので、親しみやすい数珠。すでにお持ちの方も多いかとは思いますが、この機会に日常使いも含めて、本式数珠の購入を検討してみるのはいかがでしょうか。

●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com

京都・滋賀で85年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。

●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB

 

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