まともな男は全員結婚している
道子さんは自然な出会いを探していたが、コロナ禍中のこと。マッチングアプリやSNSを試すも、いいと思える男性には巡り合えなかったそうです。
「まともな男は全員結婚していることがわかりました。アプリで知り合って会っても、変な性癖があったり、宗教の勧誘だったり。50代からの婚活は厳しいとは知っていましたが、こんなにひどいとは思わなかった。40代の男性とマッチしたとき、いつも行っているレストランに行きました。当然、男が払いますよね。その夜、“ババアのくせにいい気になっているんじゃねえ”とLINEが来た時はへこみました」
そのレストランは1人3万円程度。道子さんは金銭感覚がセレブです。そして、コロナが落ち着き、お見合いパーティや結婚相談所に行くも、屈辱を感じただけだった。
「パーティはおじさんとおばさんがショボイ店に集まっているだけの会で、私には絶対に合わない。始まって15分で帰りました。結婚相談所も最初は“すぐ決まりますよ”とか言っていたくせに、話していると私のダメ出しばかりしてくる。頭の悪そうな相談員から“話の盛り上げ役にならないと。男性を否定しないでください”などと言われるんです」
結婚のためには仕方がないと、アドバイスに従うことに。道子さんが折れるのだから、年収と社会的地位が最も高い人を希望。超大手企業の常務で結婚歴がある男性を紹介されます。
「私に専業主婦になれといい、仕事が好きだというと“女でもできる仕事でしょ”と鼻で笑う。私の話を全く聞かず “俺様を尊敬して気持ちよくさせろ”という圧がすごい。変な寿司屋に連れていかれて、大将に偉そうにしている。常連なのかと聞いたら“初めて来た”と言うんです。日本の大企業で偉くなる人って、ただ周囲が担いでチヤホヤしているだけの裸の王様がよくいるのですが、その典型的なタイプだったんです」
ちなみに、この常務とは共通の知人がおり、聞けば妻とモラハラで離婚し多額の慰謝料を支払ったとわかったそうです。加えて最近、退職したのですが、その後のゴルフや麻雀で仲間からコテンパンにされていると聞いたそう。それまでは接待だったからみんなが気を使っていた。社会的地位がないから、周囲の人に手のひらを返されたのでしょう。
「この3年間、私も婚活を休み休みしつつ続けていたのですが、半年前に昔から知っている男性(53歳)と付き合い始め、結婚する予定で話をすすめています。お互いに終活のことを考えて、すでに一緒に住んでいるのですが、別の女の影がちらつくことがあるんです。彼は2回の離婚歴があり、いずれも彼の浮気が原因。彼に聞くと“トシもトシだし、浮気はしない”と言うんですが、信じ切れなくて。彼のスマホはロックされているし、自分で尾行をしても巻かれてしまうし。自分でもおかしいと思うんですが、この気持ちは止められない。初めて気持ちが落ち着くし、甘えられる人なんです。肌が合うというか、何もかもが気持ちいいんです。彼と別れたら、私は立ち直れないかもしれない」
別に女性がいたら、「別れさせる」と言う道子さんのために、調査をすることにしました。
【庶民的なお蕎麦屋さんで、からすみをもらっていた……その2に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/