関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、熟年夫婦、そして我が子や孫を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

***

今回の依頼者は会社経営者の早苗さん(83歳)です。アクティブシニアが増えて、70代の浮気調査は増えていますが、80代の方は珍しい。早苗さんは私たちの事務所の最高齢の浮気調査依頼者です。

「主人はチャラ男なんです」

早苗さんは83歳ですが、若々しい服装と姿勢の良さから70代前半に見えます。手に年齢が現れると言いますが、ふっくらとツヤツヤとしており、指にはハイブランドのロゴが輝くアクリル製のジュエリーや、本物のダイヤモンドがキラキラと輝いています。

「年齢を重ねて地味にしていると、気持ちも滅入ってしまいますでしょ」と、ほほ笑んでいました。ヨガをしているという引き締まった体と、マニッシュなベリーショートヘア、原色のワンピースがとても可愛い。住所は東京の超高級住宅街で、相当の資産家であることを拝察しました。

「調べてほしいのは、結婚40年になる主人のことなんです」と写真を見せてくださいました。くっきりした眉にクリッとした瞳で、往年の映画スターにそっくりな風貌。

「股下が80cmあるというのが自慢なんです。色男でつかみどころがなくて、自由な人。今でいう“チャラ男”ですよ。私は厳格な家で厳しく育ってますでしょ。主人のそんなところにほれ込んで結婚してもらったんですよ。でもね、結婚したのはいいけれど、女が放っておかないんです。子供もいないから、不安で不安で仕方がなくてね。ずいぶん泣いたものです」

夫はお酒も強くて性格も豪快で、困った人は見捨てられないというタイプ。

「誰でも家に連れてきちゃうの。結婚して両親が家を建ててくれたんだけれど、私の家には一時期30人以上が寝泊まりしていたんです」

あまりの規模に驚き、話を詳しく伺うと、早苗さんは資産家の箱入り娘として生まれました。6歳のときに戦争が終わり、小学校卒業までは房総半島で生活していたとのこと。中学校から名門女子大の付属に入り、大学までエスカレーター式に進学。卒業後に早苗さんに一目ぼれした商社マンと結婚し、海外で過ごしましたが、30歳のときに離婚。

「今みたいに不妊治療がなかったし、女性の地位も低かったのです。出戻りになった私に対して父が“早苗は英語ができるから、俺の会社で働け”と言われてから、水を得た魚。ロンドンだニューヨークだと父と一緒に飛び回っていましたよ。恋人を作る暇もなかったし、私にはもう結婚はムリだと思っていました」

【ハワイでナンパされたんです……次のページに続きます】

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