彼の父親の葬儀では親族席に
夫は高校の同級生。高校時代は交流なく、同じ大学に進学したことをきっかけに仲良くなっていった。大学在学中には2度別れたことがあったものの、社会人になってからも関係は続き、25歳のときに授かり婚に至った。
「卒業間際に高校で同じ大学に行く人たちで交流を持つようになり、大学でも一緒に過ごすようになってから、ですかね。大学時代は2回も別れていて、2回目なんて1年以上口もききませんでした。1回目はケンカ別れで仲直りしたらすぐに元の関係になったんですけど、2回目は相手の浮気で、しかも共通の知り合い。1年以上経った後に相手から戻りたいと言われ続けて、折れてしまった感じです」
夫の実家は大学から電車とバスを使って1時間以内のところ。お互いが結婚するまでずっと実家住まいだったこともあり、夫の家族とは結婚前から交流があったという。
「大学生でお金もそんなにないので、自然と夫の家によく行くようになっていました。私の家は異性とのつき合いに厳しくはないけど、そこまで寛容じゃなかったから。
夫の家では何度も晩ご飯をご一緒させてもらったこともありますし、日帰り旅行に連れて行ってもらったこともあります。そのときの義両親の印象は気さくな人。夫には4歳上に兄がいるんですが、その人のことは少し苦手でした。兄弟の仲は良かったみたいなんですが、義兄は私とはあまり話をしてくれなくて、お互い苦手意識があったと思います。私が義実家にいるのに兄弟で盛り上がって部屋からいなくなってしまって、義両親と3人という空間にされたことは何度もありました」
彼の父親が亡くなったのはひかるさんが社会人になってすぐのこと。相手の家族の意向もあり、ひかるさんは親族席に参列。そこから結婚を意識するようになっていった。
「葬儀でそんなことを思うなんて不謹慎かもしれませんが、この人の家族になっていくことがリアルに感じられました。初めて結婚を意識しましたね。『隣にいてほしい』と葬儀の間だけのつもりで言ってきたんだと思いますが、嬉しかったんですよね」
結婚8年目で夫の浮気が発覚。そこから義実家との距離が変わっていった。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。