取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げていく。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺ったひかるさん(仮名・42歳)は高校の同級生と大学に進学した後に付き合い、社会人になっても関係は続く。共に実家住まいだったこともあり、相手の家族との交流は密だった。
「23歳のときに相手の父親が病気で亡くなり、葬儀では親族席に座らせていただきました。
私はそれまで相手の家族とは何度も食事をしたことや、家族の一員として旅行に連れて行ってもらったこともあったんですけど、葬儀のときは今まで以上に相手の家族を身近に感じました。その葬儀のこともあって、まだ23歳だったけれど、強く結婚を意識しましたね」
結婚8年目で発覚した夫の浮気
結婚を意識したとしても、お互いまだ社会人1年目。お互いの仕事が忙しかったこともあり、実際に結婚の話が出たことはなかった。結婚を意識しつつも順調な付き合いが続く中、ひかるさんの妊娠が発覚する。
「妊娠が発覚したときは純粋に、とても嬉しかったです。当たり前のように結婚するつもりだったし、どうしようという気持ちは一切ありませんでした。実際に相手も『結婚式どうする?』『先に暮らす場所か』という言葉ばかりで、結婚するのは当たり前という感じでした」
当時はまだ産休などの制度がひかるさんの会社では整っておらず、妊娠を機に仕事を辞めることに。そこから新居を探し、入籍、結婚式、引っ越しと怒涛のスケジュールだったという。
「高校時代の同級生でお互い実家の距離もそんなに遠くなく、夫も私の母や、別に暮らす父とも交流があったので、授かり婚を咎められることはありませんでした。私の父だけが、順番が違うことにちょっとだけ思うところがあったようだったけど、反対はされませんでしたね。身重でバタバタな中、そこがスムーズだったことが唯一の救いでした」
その後、無事、女の子を出産。子どもが小学校に上がる頃にはひかるさんも時短勤務ながら仕事を始め、3人家族として順調な生活を歩んでいた。そんな中で起こったのが、夫の浮気だった。
「夫は育児にも協力的で、私に一人の時間を作ってくれることもありました。プライベートと仕事をキッチリ分ける人だったからこそ、仕事だと言われたときは信じ切っていました。その気持ちを裏切られたんです」
【夫の浮気からの別居を義兄は喜んだ。 次ページに続きます】