取材・文/ふじのあやこ

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、その時に感じた率直な思いを語ってもらう。

両家の顔合わせは大盛り上がり。母親が苦労した姑との関係は自分には当てはまらないと思った

今回お話を伺った真衣さん(仮名・39歳)は、結婚でできた義理の両親との関係性に疑問を覚えたことがあったとのこと。結婚当初は良好だった関係に陰りが見えたきっかけは、旦那さんの浮気からだったと言います。

「結婚したのは28歳の時で、その前まで4年付き合っていました。付き合っている時から、旅行がてら相手の実家に遊びに何度も行っていたし、結婚後も関係は良好でした。

夫の浮気で離婚騒動になったのは34歳のとき。夫を庇い続ける姿、それを非難する私たち家族に向けられる敵意、そしてかばおうとする行動は今でも思い出すとゾッとします」

2人の出会いは、それぞれ22、24歳の時で、初めて勤めた先で出会ったそう。2つ年上の頼りがいのある同僚という関係性で、友人関係を2年も継続します。

「出会ったのは私が勤めていた店舗に、別店舗から移動してきたんです。勤めていたところは飲食店で、お店には社員が2~3人だけ、あとはアルバイトで回しているようなお店だったので、どうしても社員同士の関係が密になる。2年間は友人関係だったんですが、お互いのプライベートのことを相談し合うなど、友人の中でも近い距離だったと思います」

飲食店に勤めていたこともあり、相手は社交性も抜群。結婚の挨拶に行った時にも真衣さんの家族にも好印象に映ったそう。家族の顔合わせの時にはお互いの父親が酔いつぶれるなど、宴会さながらの盛り上がりだったとか。

「私は都内出身で、弟のいる4人家族。そして夫は中国地方の田舎町出身でご両親と3歳下に妹がいました。両家の顔合わせは東京までご足労いただいて、ホテルの飲食店の個室で行いました。お互いの父親の年齢が同じだったこともあり、お酒が入った席は大盛り上がり。少し恥ずかしいぐらい父親たちははしゃいでいましたね(苦笑)。

私の母親は父の母親、祖母との折り合いが良くなくて、苦労している姿を昔から見ていたので、母親のような苦労はしたくないとずっと思っていました。相手のご両親はとても優しい方で、ホッとしたのを覚えています」

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