我慢の緒が切れた夫と、一切我慢できなかった妻の末路
千香さんが大阪の大学を希望した理由は、当時付き合っていた同級生が大阪の大学に進学するから。しかし、その彼とは上阪後半年ほどで終わり、結婚相手は大学の同級生だった。
最初の結婚は24歳のとき。就職できない状況を脱するために結婚を選択したという。
「就活に失敗してしまって、大学卒業後にフリーターになりました。そこで仕送りは断たれて、一人暮らしができなくなったので、彼の家に転がり込んだんです。
そのままの関係でもよかったんですが、あんなに優しかった上の兄から『ちゃんと就職するか、地元に戻れ』って父親みたいなことを言われて、結婚することにしました。地元に帰らないといけないかもしれないと泣きついたら、彼がプロポーズをしてくれたんです」
付き合っている間も同棲中もお互いに束縛することなく、自由に行動できていたが、結婚を機に夫は変わってしまう。夫から放たれる「結婚したんだから」という言葉に嫌気が差していった。その気持ちを隠さず夫に伝え続けたことで離婚に至ってしまった。
「結婚後も友人と泊まりの旅行に行ったり、朝までクラブで過ごしたりしていました。行くときはもちろん相手に事前に伝えていたし、同棲中はそれで文句を言われたことはありませんでした。でも、結婚したら夫は変わってしまった。何度かは許してくれたんですけど、一度ケンカをした途端に、“ずっと嫌だった”と私の結婚後の生活に対しての不満が出てくる出てくる……。以降はほとんどが禁止されてしまいました。
私はそのことに対して不満を言い続けました。『その小さいところが嫌い』とか、『結婚してから本性見せてくるなよ』とか、本人を否定するようなことも言っていたかな。そうしたら、相手から離婚したいと告げられました。私自身も愛情よりも不満のほうが強くなっていたので同意しました。結婚生活は3年弱で終わりました」
離婚後は20代前半にはあんなに渋っていた地元に戻ることに。一番上の兄が結婚で離れて暮らしていたこともあり、実家で母親との2人暮らしをスタートさせる。地元で出会った高校の同級生と再会して、恋愛関係に発展。時間をかけて付き合っていきたかったが、田舎という小さなコミュニティがそうさせてはくれなかった。
【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。