取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
千香さん(仮名・36歳)は性格の不一致で27歳のときに離婚。大学から生活していた大阪を離れ、地元の兵庫県の郊外で母親との2人暮らしをスタートさせた。【~その1~はコチラ】
小さなコミュニティの中、結婚を意識させられた
家事を手伝いながらも就職先を必死で探し、関西圏で展開するドラックストアの販売員に採用される。その職場でお客として来た同級生と再会して、そこから同級生との交流が増えていったという。現夫はその中の1人だった。
「夫の高校時代の印象は全くと言っていいほど覚えていなくて、話したこともなかったです。私の田舎は電車で2時間ほどかければ県内の都心部には出られるので、地元を離れている人の割合は半分くらい。私のように一度離れたけど戻ってきた人もいました。
当時は30歳ぐらいだったんですけど、残っている子の既婚割合は高かったですね。地元の居酒屋で集まれるけれど、早めに帰っていく人も多くて、夫はその中で最後まで付き合ってくれていて、仲良くなっていきました」
結婚したのは恋愛関係になってから1年半ほど経ってから。千香さんはまだ結婚するつもりはなかったものの、周囲からの圧によって結婚するしかなかったと訴える。
「付き合うようになったらすぐに周囲にバレて、どこから聞いたのか知らないけれど母や兄も私たちの関係を知っていました。
友人たちは1年ほどは放ってくれたんですが、1年過ぎた頃からは『結婚しないの?』とか『やっぱり再婚だから?』とか、周囲が余計なお世話ばっかりを言うようになりました。夫も私と同じ気持ちで、その雑音をなくすために結婚したようなものです」
結婚するまではお互いに実家暮らし。夫は初婚で一度も実家を出たことがなかった。義母対策としてお互いの実家から少し距離のある場所に新居を構えたが、問題はそこだけじゃなかったという。
「夫は3兄弟の真ん中で、義母はそこまで干渉するタイプでもなく、そこは嬉しい誤算でした。それよりも大変だったのが、夫に生活というものを教え続けること。家事も一度教えたらやってはくれますが、言わないとやってくれません。それにやってもらえることが当たり前だと思っているようで、『ありがとう』など感謝の言葉がまったくありませんでした」
【言葉の暴力から、夫は夫婦生活での感情を捨てた。次ページに続きます】