取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

厚生労働省が発表した「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)」では、2020年度の婚姻件数は 52万5490組、離婚件数は19万3251組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。

「一度目の結婚は自分が求めるものと夫が求めるものが違い過ぎて、その差のせいで最終的に相手を憎んで終わりました」と語るのは、まどかさん(仮名・43歳)。まどかさんは28歳のときに同じ職場に勤めていた2歳上の男性と結婚。そして、35歳のときに離婚に至った。

家で繰り返されていた母親いじめ。祖母が大嫌いだった

まどかさんは京都府出身で、両親との3人家族。高校のときに父方の祖父が亡くなり、そこから祖母と同居が始まった。まどかさんはわがまま三昧だった祖母のことが大嫌いだったと振り返る。

「家では祖母と母親の嫁姑関係がこじれていて、対立というよりは一方的ないじめみたいなものでした。父は長男で、次男は遠方で暮らしており、祖母との同居は結婚の延長として当然のことだったみたいでした。母にはあったかもしれないけれど、私には何の報告もなく、いきなり祖母が来た感じです。祖母と暮らすことにより、私は部屋を奪われ、一軒家の敷地内にあった倉庫みたいなところを改築して作った離れに放り込まれました。

同居するまで祖母は祖父の影に隠れているようなおとなしい人というイメージだったのに、1人になった途端に図々しくなってしまって。家族とは別に食べたいものを母親に用意させたり、夕方にお風呂に入るなど、家族と同じ動きは一切せずに自分のわがままを当たり前のように母親に伝えていました。無理してそのわがままを受け入れ続ける母を見ているのが辛かったですね」

母親を守ろうとまどかさんは祖母本人や父親にも訴えたことがあるものの、なんの効果もなかった。母親に離婚を勧めたことさえあったという。

「祖母は私のことを『いじめなんて言い方するなんて、いやらしい子』と罵られ、父親からは『(嫁姑とは)そんなもの』と相手にしてもらえませんでした。

母親も私からの離婚要望に対しては苦笑いを浮かべるだけ。今振り返ると、後先を考えずに発言していた私も子どもだったと思いますが、こんな発言を子どもがしている状況だったことをもう少し受け止めてもらいたかったです」

【働くことも、子どもも望めず、ただ夫の帰りを待つだけ。次ページに続きます】

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