遺体安置

経済状況や社会環境の変化に伴い、そこで暮らす人々の人間関係にも変化が起きているように思われます。例えば、古くは「家と家」の繋がりを大切にしていた日本の社会も「個人と個人」の繋がりを重視するようになってきているようです。そうしたことを色濃く反映しているのが、冠婚葬祭にみられる慣習です。

従来は、親戚縁者ことごとくへ連絡して、列席・参列を求め執り行った儀式も、「内々」で行われるようになってきております。「葬儀」においても「内々のお葬式」を望まれる方が多くなっているようで、最近ではそうしたテレビCMも頻繁に見かけるようになりました。

しかし、「内々のお葬式」といえども、「簡略に」とか「割愛」とか「秘密裏に」というわけにはいきません。「内々のお葬式」なりの「葬儀に関する作法・知識」を、しっかりと身に付けておきたいところです。

そこで、この記事では「家族葬と一般的な葬儀との違い」について、京都・滋賀で80年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。

もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。

目次
「家族葬」とは?
「家族葬」と決めたら
「家族葬」での参列マナー
「家族葬」のメリットとデメリット
最後に

遺体安置

「家族葬」とは?

「家族葬」とはどういう葬儀なのでしょうか? 言葉だけを捉えると「家族だけで故人を見送る葬儀」だろう、となります。果たしてそうでしょうか? ここでは「家族葬」とは何かを解説していきます。

「家族葬」が増えてきている背景

「家族葬」という言葉を最近よく耳にします。訃報の連絡の際にも、「葬儀は家族だけで執り行いました」といった文面が随分と増えました。なぜ「家族葬」が増えているのでしょうか?

色々な要因があると言われています。最近ではコロナ禍により、人との接触を少なくする配慮からです。親族すら呼べないといった事情から仕方なく「家族葬」に切り替えるケースもあります。

それとは別に、コロナ禍以前から増えている要因について解説します。まず一つ目は、高齢化によるものです。亡くなる年齢が高くなり、知人や友人も高齢化しています。ご存命な方自体が少なくなってきていること。親族や近所付き合いも希薄になっていることなどがあげられます。

二つ目は費用の問題です。長引く不景気で、葬式に高額な費用はかけていられないといった問題が現実的にあります。

三つ目の要因として、多様な考え方として、昔ながらのしきたりやルールに、縛られたくないといった方も増えているからだと考えられます。

「家族葬」の本来の目的

「家族葬」の本来の目的は、故人との別れの時間をゆっくり過ごしたいというものです。多くの人が集まる一般葬では、遺族は様々な対応が必要で、故人との別れを惜しむ時間すら取れない状況になります。

また、一般葬では多くの方が来られますので、自宅で葬儀を行うことは難しく、会場を借りるケースが多くなります。「家族葬」であれば、参列者の数を少なくすることができるため、自宅で執り行うことも可能です。

ただ、故人が若くに亡くなり、多くの友人や知人、会社関係者との関係性が強い場合には「家族葬」というのは難しいかも知れません。

「家族葬」と決めたら

「家族葬」と決めたら、遺族として何をするのかを解説していきます。

「家族葬」どこまで呼ぶ?

「家族葬」だからといって、家族や親族だけしか呼べないというわけではありません。お呼びする範囲の明確な定義はありません。親しい友人なども含めて、少人数で執り行う葬儀を総じて「家族葬」といいます。生前親しくお付き合いのあった方々もお呼びしていただけます。故人の意思を配慮しながら、遺族がどういった方々をお呼びすればいいかを慎重に考えることが大切です。

会社への連絡

「家族葬」だからといって、会社への連絡が不要だということではありません。必ず連絡してください。特に故人が所属していた会社であれば、「家族葬」であることは早めに伝えましょう。死亡連絡を受けて、会社側も供花や業務調整など参列の準備を始めますので、連絡は早いに越したことはありません。参列や香典については丁重にお断りするようにいたしましょう。

遺族の場合、所属する会社に同様の連絡をします。また、いつからいつまで慶弔休暇を取るのかも合わせて連絡するようにしましょう。

親族への連絡

親族についても同様に、どこまで呼ぶのかを決める必要があります。家族だけで執り行うのであれば、親族すら呼ばないことになります。また、家族だけで行うという判断をすれば、親族もその意思を尊重しなくてはなりません。親族を呼ぶにしてもその範囲については慎重に決めます。同世代で、生前仲の良かった人だけを呼ぶなどといった配慮が必要になってくるでしょう。

「家族葬」の流れ

「家族葬」だからといって、一般葬と変わることは殆どありません。死亡からご遺体の安置、お通夜と通夜振る舞い、葬儀と火葬、精進落とし、納骨という流れは同じです。

「家族葬」の費用

葬儀費用についても実は、一般葬とあまり変わりません

参列者が少ないことによって料理や返礼品の数が少なくなりますが、香典も少なくなります。掛かる費用については、実質的にそう変わりないかもしれません。香典を辞退される場合も同様です。

遺族に一礼

「家族葬」での参列マナー

「家族葬」に呼ばれて参列する場合、どのようなマナーがあるのかについて解説します。

「家族葬」に呼ばれた場合どうする?

「家族葬」の場合、遺族から参列をお願いされない限り、参列は控えましょう。もし、遺族から参列をお願いされた場合、もしくは葬儀の日時を知らされた場合は、特別な事情がない限り参列するのが礼儀です。

「家族葬」に参列する場合の服装

一般葬も「家族葬」も、参列する場合の服装は変わりません。遺族から服装の指定がある場合は、それに従ってください。

切手盆

「家族葬」に参列する場合の香典

香典は、辞退の案内がない限り持参するのが礼儀です。会場にて辞退されることもあります。相場につきましては、一般葬と同様に、親族であれば1万円から10万円くらいまでの間で、生前の関係性の中で決めてください。事前に、親族間で打ち合わせしておくのもいいでしょう。

「家族葬」のメリットとデメリット

では、「家族葬」でのメリットとデメリットについて、簡単にまとめていきたいと思います。

「家族葬」のメリット

少人数での葬儀ですから、故人とのお別れに十分な時間が取れます。親しかった友人や親族に対して、生前の御礼を故人のご遺体とともに丁寧に伝えることが出来るでしょう。また、少人数での葬儀のため、慣れ親しんだ自宅で執り行うことも可能です。最後の時を自宅で過ごすことは故人にとっても、遺族にとってもかけがえのない最後のひとときになることでしょう。

「家族葬」のデメリット

故人に知られざる人脈があった場合、葬儀の後、弔問客が途切れず対応が大変になることもあります。香典返しなどの対応も同様です。また、親しかった友人などから「なぜ参列させてくれなかった」とか「せめて知らせて欲しかった」などといった、やり場のない思いを吐露されて対応に困ったという話もあります。

葬儀後のことも配慮して、お知らせする範囲や、参列のお願いをする範囲を慎重に決めることが大切になってきます。

まとめ

最近では、生前にご本人が「家族葬」を希望するケースも多くなっています。自宅でひっそりと家族だけで過ごす最後の時間は、本当に貴重な別れの時になるでしょう。昨今ではコロナ禍により、人との接触機会も配慮しなければならない時代。仕方なく「家族葬」を選択される遺族も多くなっております。

しかし、生き方も見送られ方につながる多様性を持つ社会になってきました。どのような見送られ方をするのかを見つめながら、しっかりと生きることが大切だと思います。

●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB

●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com

京都・滋賀で80年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。

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