取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
江里菜さん(仮名・42歳)は29歳で離婚するも、離婚したことの辛さよりも実家に戻り母親と再び暮らし始めた生活のほうがしんどさが勝っていたという。結婚で母親と物理的に離れたことにより、母親のことが好きだと思う気持ちは思い込みだと気付く。
【~その1~はコチラ】
実家に出戻ると結婚生活より窮屈な状態に。半年で逃げ出した
結婚生活でもやっていなかった家事までを実家で行う日々に疲れ、一人暮らしを敢行。言い訳作りのために転職まで行った。結婚生活で使用していた家電はすべて実家に置いていくことになり、すべて新調したとのこと。予定外に寂しそうに見えた母親から離れるときには罪悪感が強く、離れた後もその罪悪感から連絡を取り続けてしまう。
「離婚は相手の有責なので家具も私が必要なものを先に選べて、後は相手が貰うか処分するという感じだったんです。だから実家の家電が古かったこともあり、ほとんど入れ替えたんですよね。物に罪はないので。転職をしたことで給料も最初の試用期間は少し下がってしまい、家具家電もすべてまた新調してお金が結構かかったんですけど、私には慰謝料がありましたから(苦笑)。
家を出るときに母は、『そんなに急いでいなくならなくても』と少し寂しそうで、せいせいするはずだったのに、『定期的に帰ってくるから』なんて言ってしまって。思ってもいないことをスラスラ言う自分に引いてしまいました」
新しい職場では新しい出会いがあり、離婚して1年ほどで新しい恋人ができる。相手は5歳下でバツなし。付き合った当初は江里菜さんには再婚願望がなかったものの、それを伝えることはできなかったという。
「会社内の飲み会から仲良くなり、半年ほどの友人期間を経て付き合うようになりました。付き合うときにバツイチだということは言いましたが、結婚願望がないことは言えませんでした。当時私は30歳、相手は25歳。30を超えた私から年下に結婚の話題なんて、出すことさえ憚られると思っていたから」
【干渉材料を作らないため、10年間も事実婚を貫いた。次ページに続きます】