取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

厚生労働省が発表した「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)」では、2020年度の婚姻件数は 52万5490組、離婚件数は19万3251組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。

「ずっと好きだった人とやっと一緒になれたのに、今とても窮屈です。何の事実も根拠もないのに疑われ、見張られている状態で、再婚は間違いだったのかもしれないとさえ思ってしまっています」と語るのは、史郎さん(仮名・47歳)。元妻との間には1人の高校生の男の子がおり、親権は妻側。元妻もすでに再婚しているという。

結婚の条件は「お互いの両親とのつき合いを求めないこと」

史郎さんは神奈川県出身で、両親と2歳下に弟のいる4人家族。家族仲は良好、なんの不自由なく大学まで卒業して、最初の就職先で元妻と出会う。2年ほどの友人期間を経て恋愛関係になり、6年の交際期間を経て結婚した。

「第一印象はお互いまったく覚えていなくて、仲良くなっても異性として意識はしていなかったと思います。お互い別に恋人がいたこともあって。でも、フリーになった時期が同じくらいで、なんとなく付き合ったみたいな感じでした。

結婚も同棲を始めて3年ぐらいでどちらからともなく『(結婚)しようか』という話になって、プロポーズもしなかった。一緒にいると落ち着くというか、気を使わなくていい関係が心地よかったんです」

結婚の際に、元妻は自分の両親のこと、そして義両親との付き合いについての決め事を提案してきたという。

「6年も付き合っていて、相手の両親についての話を聞いたことがなくて、会ったこともありませんでした。ご健在だということぐらいしか知らなくて。そこまで話をしたがらないということはあまり関係はうまくいっていないんだと思っていたので、こちらからも詮索しませんでした。

元妻は結婚前に両親との折り合いが悪いことをちゃんと伝えてくれました。だから『結婚後も別に交流しないでいい』『結婚式もしたくない』と。そして、『私はあなたに両親との付き合いを求めないのだから、私にも求めないで』と付け加えました。私の両親とは結婚前に一度だけ会ったことがあってそのときには愛想良くしていたのに、嫌だったのかと思うとちょっとショックでしたね」

【「外でしてきてください」関係は夫婦からまるで友達のようになった。次ページに続きます】

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