取材・文/沢木文

「女の友情はハムより薄い」などと言われている。恋愛すれば恋人を、結婚すれば夫を、出産すれば我が子を優先し、友人は二の次、三の次になることが多々あるからだろう。それに、結婚、出産、専業主婦、独身、キャリアなど環境によって価値観も変わる。ここでは、感覚がズレているのに、友人関係を維持しようとした人の話を紹介していく。

「30年来の親友が、変わってしまった」とため息をつくのは、真美さん(55歳)だ。同期入社の仲間で、ママ友でもある玲子さん(55歳)が、最近不倫の恋をしたからだという。

男女雇用機会均等法の第一世代は「オヤジギャル」

東京郊外に住む真美さんは金融関連会社に勤務している。同じ年の夫はIT関連の会社を経営しており、息子ふたりは社会人になると同時に独立。28歳の長男は去年結婚した。

「人生を振り返って“まあまあイケてる人生だ”とは思います。女子大を出て、今の会社に就職して、ずっと勤務を続けてきたから、遊びも仕事も楽しめた。息子2人を留学させられたのも、共働きだからだと思います」

1986年に施行された男女雇用機会均等法。90年ごろまでに就職した人は均等法第一世代と呼ばれている。真美さんは1989年入社だ。この時期、女性が結婚をしても仕事を続けるのは、想像を絶するほど大変だったという。

「法整備はできても、世間の常識は変わりませんからね。義両親からは“結婚したら家庭に入るものだ”と言われ、子供が生まれれば“母親が仕事に気を取られていると、ロクな子供が育たない”と罵られ(笑)。私は産休8週間で復帰したのですが、これにはウチの親も呆れていました。また、ウチのマンションがあるエリアは古い住宅街で“女性は働かないものだ”という意識が浸透していた。息子が小学校に入ったときに“あら、保育園なのね”と見下されるように言われたこともありました。たった25年前でもそんな意識だったんですよ」

そんな外圧を一緒に乗り切ったのが、玲子さんだったという。

「最初に会ったのは、私が26歳のとき。玲子が懇親会のときに“私も結婚しても仕事を続けるの”と言ってきたんです。彼女はとにかく派手で、同期の中でも目立っていた。ヘアスタイルはワンレンで、トサカのような前髪でね。当然のようにボディコンの服を着て、ディスコのジュアリアナ東京にも出入りしつつ、オグリキャップに湧く競馬場にも行っていた。当時の流行の先端を行く“オヤジギャル”でしたからね。私は地味で目立たないタイプなので、驚いたことを覚えています」

てっきり、一生シングルか、それとも当時はやりのDINKS(子供がいない共働きの夫婦)になるものだと思っていたら、サッサと結婚し、子供を産んだ。

【冷遇された“働く母”は連帯する……。次のページに続きます】

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