最近「5G」という言葉を見る機会が増えたのではないでしょうか? 5Gは大容量・高速通信を実現し、インターネット環境をさらに快適にするだろうと言われています。しかしそうは言っても、5Gが利用できる範囲は、限定的です(2022年8月現在)。

そこで、5Gの利用可能範囲を拡大するために様々な取り組みがなされています。また5G の通信規格も複数あり、従来のものと性能的にあまり変わらない規格もあります。今回は、5G の利用エリア拡大に重要な役割を果たす「NR化」に焦点を当てて解説したいと思います。

目次
まず5Gとは一体何?
NR化とは?
NR化以外の5Gに関連する通信方式
最後に

まず5Gとは一体何?

5Gは「ファイブジー」と呼びます。Gは「Generation」(世代)の略のことです。通信システムの第5世代で、最新世代になります。日本では2020年3月からサービスが開始しました。その特徴は「高速大容量」「低遅延」「同時多数接続」。自動車の自動運転、遠隔医療、無人コンビニなどは5Gの技術があって実現するとされています。

一つ前の世代には「4G」という世代があり、こちらは「フォージー」と呼ばれます。2022年8月現在、4Gの方が5Gよりも広範囲にわたって利用されています。4Gになって、通信速度と容量が以前より大幅に向上、スマホ利用者増加に大きな役割を果たしたと言われています。

NR化とは?

NRは「New Radio」(新しい無線という意味)の略で、5G向けの通信規格のこと。既存の4Gの周波数に対してNRの規格を適用することで(NR化)5Gを使えるようにするという方法です。既にある4Gの基地局を利用することによって、新規に5Gの基地局を建設する手間が省けるので、より効率的に5Gの利用可能範囲を拡大できます。

それでは4Gの周波数を5Gに転用することでどのようなメリット・デメリットがあるのかを説明していきたいと思います。

NR化のメリット

まずはNR化によるメリットから見ていきましょう。

既存の4Gの基地局・設備を活用することで、よりスムーズに5Gの利用可能範囲を拡大することができます。4Gは日本全国で利用可能であり、この周波数を5Gに転用することで新規に基地局を建設する時間・コストを削減できます。5G端末にソフトウェアアップデートを行うことでNR化に対応させて、NR化を積極的に推進しているキャリアもあります。

NR化のデメリット

次にNR化によるデメリットを見ていきたいと思います。

4Gの周波数を利用しているので、通信速度は4Gの上限を超えることができません。一般的な5Gの通信と比べると、通信速度は遅くなると言われています。5Gについてよく謳われる「大容量・高速通信」を実現するには5G専用の高い周波数が必要であり、そのためには専用の設備も必要になってきます。ユーザーによっては「それでは4Gと変わらないのでは?」と思う方もいるかもしれません。

NR化以外の5Gに関連する通信方式

5GにはNR化以外に2種類、独自の通信方式・周波数が存在します。5Gにおける大容量・高速通信の実現には、この新しい通信方式が必要になります。専用の施設・設備も必要です。それぞれご紹介しましょう。

Sub6

「Sub6」は「サブシックス」と呼び、3.6GHzから6GHz未満の周波数帯域のことを指します。400MHzの帯域幅で高速・大容量通信が可能です。フルマラソンで市民ランナーが4時間を切ることを「Sub4」と言いますが、同じような感覚で6GHz未満の周波数帯をSub6と呼んでいます。2022年8月現在、メインで普及が進められている5Gの周波数帯です。

ミリ波に比べると減衰(電波が弱くなること)が少なく、広範囲にわたって電波が届き、障害物があっても回り込んで届くという長所があります。また、Sub6の基礎技術は4Gから派生したもの。そのため、基地局建設やアンテナ設置などの分野で4Gの技術を活かすことができます。

その反面、通信速度と同時接続の性能に関してはミリ波に劣ります。Sub6はエリアをカバーし、ミリ波は性能をカバーするといったところでしょうか。

ミリ波

「ミリ波」は、28GHzから300GHzの周波数帯域のことを指します。100MHzの帯域幅で高速・大容量通信が可能です。Sub6よりも高い周波数帯であるため、Sub6以上に高速通信ができるようになります。多数同時接続という点でも優れています。5Gの主な特徴として「超高速・大容量」「超低遅延」「多数同時接続」の3点が挙げられますが、それを実現できるのがこのミリ波ということです。「2時間半の映画を数秒でダウンロードする」といったレベルの超高速通信はミリ波によって可能になるとされています。

一方、減衰が大きい為、電波の届く範囲は限定的。さらに直進性が高いので障害物の影響を直に受けやすいとされています。何らかの工夫をしなければ、広範囲をカバーすることができません。そのため、スポット的に活用されることが想定されます。Sub6に比べてエリアの拡大は容易ではなく、2022年8月現在で利用できる場所はSub6よりもさらに限られます。

最後に

5Gの通信規格について説明しましたが、いかがでしたでしょうか? 一口に「5G」といっても「Sub6」や「ミリ波」といった様々な通信規格が存在します。通信規格によってはNR化のように機能面で4Gとあまり変わらない規格も。

「2時間半の映画を数秒でダウンロードする」「遠方の医療ロボットをリアルタイムで操作する」といった超高速通信はミリ波でなければ、実現は困難と考えられます。そして、ミリ波は技術的な諸問題から普及にはまだまだ時間がかかると予想されています。そのため、私たちが日常生活において十分に5Gの性能を実感するようになるには、もう少し時間がかかりそうです。

●構成・執筆/吉河 光祐(よしかわ こうすけ|京都メディアライン・https://kyotomedialine.com/ FB

都内のIT企業にて、クーポン販売サービスや美容医療チケット販売サービスのウェブとアプリ二つの開発保守に従事している。

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