スマートフォン(以下、スマホ)の普及やリモートワークの増加に伴い、自宅でWi-Fiを利用している人は多いのではないでしょうか。自宅でも快適なインターネット生活を送るには、Wi-Fiを利用するためのWi-Fiルータが必要不可欠です。

中には、Wi-Fiルータを設置後、特に何も設定していないという方もいるかもしれません。便利なWi-Fiルータですが、実はセキュリティ対策をしっかり行っていないと思わぬ犯罪に巻き込まれる可能性もあります。

そこで、今回の【インターネット基本のき】では、安全にWi-Fiルータを利用するためのセキュリティ対策についてご紹介します。

目次
Wi-Fiルータにセキュリティ対策が必要な理由は?
Wi-Fiルータを安全に使うためのポイントは?
最後に

Wi-Fiルータにセキュリティ対策が必要な理由は?

「Wi-Fiルータにもセキュリティ対策が必要」ということはわかっていても、具体的な理由まで把握できている方は多くないかもしれません。そこで、なぜWi-Fiルータにもセキュリティが必要なのかご説明いたします。

セキュリティが必要な理由

前述の通り、セキュリティ対策をしていないWi-Fiルータは、犯罪に巻き込まれる可能性があります。セキュリティ対策をしていないWi-Fiは「オープンネットワーク」と呼ばれ、言葉の通り電波が届く場所であれば誰でもWi-Fiに接続が可能です。

誰でも接続が可能だということは、単純にまったく知らない第三者がWi-Fiを好きに利用できるだけでなく、犯罪目的で第三者がインターネット上で不正な行為を働いたり、自由にWi-Fiの設定を書き換えたりすることができるということです。また、オープンネットワークは通信の内容が暗号化されていないため、第三者に通信の内容をのぞき見されてしまうなんてことも……。

その結果、知らぬ間に犯罪の片棒を担いだことになったり、詐欺やマルウェア(ウイルスなど、不正プログラムの総称)感染の被害に遭ってしまったりするかもしれません。

セキュリティが「あり」と「なし」でどう違う?

セキュリティ対策をしていると、特定の人物・端末以外はWi-Fiに接続ができなくなります。これは知らない人が勝手に自宅のWi-Fiを利用することを阻止できるだけでなく、犯罪目的での不正アクセスを防止することにもなるのです。

そのため、プライバシー侵害や個人情報漏洩、マルウェアの感染など、インターネットを利用するうえで起こりえる不利益を回避することにも繋がります。反対に、セキュリティ対策をしていない場合は、常に危険にさらされることになるでしょう。したがって、自宅で安全にインターネットを利用するには、Wi-Fiルータのセキュリティ対策が必要不可欠だといえます。

Wi-Fiルータを安全に使うためのポイントは?

Wi-Fiルータを安全に使うためのセキュリティ対策には、どのようなものがあるでしょうか。今回は、実践しやすいセキュリティ対策をいくつかご紹介したいと思います。

1:Wi-Fiルータの管理画面にログインするためのID・パスワードを変更する

利用しているルータの機種・メーカーにもよりますが、ルーターの管理画面にログインするためのID・パスワードは、工場出荷時に一律で設定されている場合があります。特に機種によってはメーカーの公式サイトにID・パスワードが記載されていることもあるため、そのままだと簡単にルーターを乗っ取られてしまうことも……。

そのため、Wi-Fiルータを設置した際は、必ず管理画面にログインし、ID・パスワードの変更をおすすめします。ID・パスワードは複雑なものや文字数が多いものなど、必ず推測されにくいものにしましょう。

2:SSIDの名前・設定を変更する

SSIDとは、Wi-Fiルータひとつひとつにつけられた名前です。どの端末でも、Wi-Fiに接続する際は、下記のように複数ある名前から接続したいWi-Fiを選択していることでしょう。この表示されている名前がSSIDです。

Wi-Fi接続先

このSSIDも、機種によっては製造元や機種名に関連する文字列が含まれている場合があります。すると、その名前から公式サイトを確認し、管理画面へログインされてしまう可能性も少なくありません。

そのため、必ずこちらのSSID名も変更をしておきましょう。また、SSID名とWi-Fi接続時に入力する暗号化キー(パスワード)変更する際は、誕生日や電話番号など、個人情報に関連する文字列を含めないようにしましょう。

3:セキュリティレベルの高い暗号化通信で通信を行う

通信内容の盗聴による情報漏洩を防ぐには、通信を暗号化方式で行うことが一番です。よりセキュリティレベルの高い暗号化方式を選ぶことで、安全にWI-Fiを利用できるようになります。

現時点(2022年5月現在)ではWPA3を利用するのがおすすめです。これからWI-Fiルータを購入するという方は、WEP・WPA2の規格のみ対応している機種は避け、WPA3などの最新ネットワークセキュリティ規格を利用できるものを購入しましょう。

4:ルーターのファームウェアを最新に保つ

Wi-Fiルータは、製造元が機能改善・セキュリティ工場のためにファームウェア(ソフトウェア)をアップデートすることがあります。Wi-Fiに限らず、ファームウェアのアップデートを行わないままだといくら対策をしても犯罪に巻き込まれてしまう可能性がゼロではありません。

Wi-Fiルータの管理画面にアクセスすれば、現在のファームウェアのバージョンを確認できるため、古くなっている場合はアップデートをしましょう。ちなみに、最新のルータでは自動アップデート機能が搭載されている機種が多いので、自動アップデート機能がある場合は有効にしておくとアップデート漏れを防ぐことができます。

5:接続している機器を把握する

機種によっては、管理画面やアプリで現在接続されている端末・接続された履歴を確認することができます。こういった機能を利用して、定期的に自宅のWi-Fiルータに接続された端末を確認しましょう。

もし見覚えのない端末が接続されている場合は、SSID・暗号化キーを設定していても誰かが不正ログインをしているということになります。見つけた場合は、必ずSSIDと暗号化キー、念のために管理画面のパスワードも変更しておくのがよいでしょう。

機種によっては特定の端末からの接続を禁止する機能が搭載されている場合もあるため、搭載されている場合は見覚えのない端末を排除しておきましょう。

最後に

インターネットが普及した現代では、Wi-Fiの有無によりインターネットを快適に利用できるかどうかが左右されます。ただ、何も考えずにWi-Fiルータを購入し利用していると、犯罪や情報漏洩など、思わぬ事態を引き起こすことも……。インターネットをより安全に、快適に利用するためにも、必ずWi-Fiルータのセキュリティを意識することが大切です。

●構成・執筆/西田 絢(にしだ あや|京都メディアライン・https://kyotomedialine.com
国家試験「情報処理技術者試験」の区分にある「ITパスポート試験」「基本情報技術者試験」を保持。通販ECパッケージの開発・導入・保守サポートを行う企業にて技術面での保守サポートを行っている。

 

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