近年、インターネットの通信速度は昔と比べて大きく向上しています。それによって、遠く離れた人たちとオンラインで会議をするといったようなことが可能になりました。時期を同じくして、最近テレビやインターネットニュースなどを通して「5G」という言葉を目にした方も多いのではないでしょうか? 今回は「5G」について説明いたします。

目次
そもそも5Gや4Gとは?
5Gと4Gの違い
5Gにするメリットやデメリットは?
最後に

そもそも5Gや4Gとは?

5Gは「ファイブジー」と呼び、Gは「Generation」(世代)の略です。通信ネットワーク技術の第5世代であり、最新の世代にあたります。直近の前の世代には「4G」という世代があり、こちらは「フォージー」と呼びます。

日本で5Gのサービスが開始されたのが、2020年3月。現在(2022年8月)の普及率は低く、大部分の地域では依然4Gが使われています。

5Gと4Gの違い

5Gの技術が4Gと比べ、どれほど進歩したのか見ていきましょう。

▷高速で大容量の通信

4Gと比べて、最大約20倍の高速通信が可能です。通信にかかっていた時間が大幅に短縮され、大容量・高画質のデータを高速で送受信できるようになりました。約2時間半の映画が、4Gでダウンロードすると4分以上かかるところが、5Gなら10秒以内にダウンロードできると言われています。

▷多数同時接続ができる

4Gよりも、1つの基地局に対して同時に接続できる端末の台数が増加しました。わかりやすく説明すると、1平方キロメートルあたりでは4Gの10倍の数です。スマホやPC以外にも、カメラや車、家電など幅広い端末をインターネットに同時接続して機器の制御やデータのやり取りが可能になります。多数同時接続の良い例として、カメラやセンサー、レジがネットワークに同時接続することで実現している無人コンビニが挙げられるでしょう。

▷遅延が少ない

遅延速度が4Gの10分の1になりました。オンライン対戦ゲームといったリアルタイム性が極めて重要な通信でも遅延が大幅に減少し、プレーが快適になります。ロボットの遠隔操作も10倍の精度で可能になったと言われています。

5Gにするメリットやデメリットは?

機能が大幅に向上した5Gはメリットばかりのように思えますが、必ずしもそれだけではありません。メリット・デメリットを見ていきましょう。

5Gのメリット

▷家電の遠隔操作が可能になる

多数同時接続が可能になることで照明やエアコン、炊飯器等の家電などをネットワークに同時に接続することができるようになります。これによってスマホ1つで会社からエアコンの温度を調整したり、タイマーを設定したりすることが可能です。多くの家電がネットワークに接続することで、スマホによる遠隔操作ができるようになります。

▷車の安全運転技術が向上する

車の自動運転においては、常に変わり続ける状況の分析や危険回避の判断など、リアルタイムで高度な情報処理をすることが要求されます。5Gでは遅延がほとんどなくなるため、状況把握とほぼ同じタイミングで判断からの操作が可能になります。現在は、タクシーやバスの自動運転化の実証実験が進行中です。

▷高画質のコンテンツを楽しめる

4Kや8Kといった高画質コンテンツは大容量のデータ通信を必要としますが、5Gであれば高速でダウンロードが可能。また、TwitterやLINEなどのSNSで共有された高画質な動画も、素早く確認できるようになります。

5Gのデメリット

▷セキュリティリスクが増大

多くの機器がインターネットに接続するということは、その分サイバー攻撃にさらされる対象が増えたことを意味します。悪意を持った人物が遠隔操作で家の鍵を解除した、自動運転でブレーキを無効にしたといったサイバー攻撃の事例が想定されます。

このようなセキュリティリスクに備え、スマホだけでなく機器の通信においても暗号化やパスワードの設定、セキュリティソフトの導入が必要になってくるでしょう。そして、使用者にもサイバーセキュリティに対する理解が今まで以上に求められる時代になりつつあります。

▷5G利用には専用端末が必須

サービスを利用するには5G専用の端末が必要となります。これまで4Gを利用していたスマホは5Gに対応していないため、買い換えなければならないというわけです。サービスの利用に専用端末が必要となると、5Gの利用を躊躇する人もいるかもしれません。

しかし、5G対応端末の生産・販売台数は増加傾向にあり、今後より多くの国・地域でのサービス展開が予想されます。様々な企業が5G専用端末の開発に参入し、手頃な価格で5G専用端末を購入できるようになるでしょう。

▷データ容量が必要

5Gは高速に大容量の通信ができるシステムなので、キャリアと契約したプランのデータ容量が少なければすぐに上限に達してしまい、十分に威力を発揮できません。5Gであっても、データ容量の上限に達すると通信速度が遅くなるからです。ちなみに、日本の5Gユーザーの1か月のデータ通信量は15GB前後と言われています。このことから考えると、5Gを使用する場合、20GBのプランが妥当と言ったところでしょうか。

最後に

5Gと4Gとの違い、メリット・デメリットについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか? まだサービスが始まったばかりの5Gですが、日常生活や社会全体を大きく変える可能性を秘めています。タクシーが無人で走行する、スマホ1つで自宅のあらゆる家電を操作できるといった近未来的な光景はすでに現実のものになりつつあります。5Gに関連する技術について、量販店や5Gのイベントなどに足を運んで、一度体験してみるのも面白いかもしれません。

一方で、セキュリティのリスクが増大するという負の側面もあります。自動運転の車がハッキングされて制御不能になった、自宅の鍵を勝手に解除され盗難の被害にあったなどは今後起こりうる危機と言えます。これらに対しても十分理解して、常日頃からどう対処していけば良いのかを考えなければならないでしょう。

●構成・執筆/吉河 光祐(よしかわ こうすけ|京都メディアライン・https://kyotomedialine.com/ FB

都内のIT企業にて、クーポン販売サービスや美容医療チケット販売サービスのウェブとアプリ二つの開発保守に従事している。

 

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