相手の両親とは、結婚式が初対面だった

コロナ禍での婚活は、紹介を待っていたららちが明かない。そこで娘は、マッチングアプリを開始。

「マッチングアプリで娘は婿に出会い、一目ボレ。とんとん拍子に話は進み、あっという間に妊娠して、“結婚します”とあいさつに来たんです。ウチに来た時に、空気が変わるくらいイケメンでびっくりしましたよ。でも口を開けば自分勝手な性格なことはすぐにわかった。そもそもこんなイケメンが33歳まで独身ってのがおかしい話なんですよ」

反対するにもすでに娘は妊娠中。結婚を認めざるを得ず、簡素な結婚式を挙げた。コロナの影響もあり、結婚式で婿の両親と初めて対面するも、「息子とは関わり合いたくない」とばかりに、そそくさと帰って行ったという。

「失礼な話でしょ。昔なら“順序が逆”と恥ずかしいことをしているんだから、詫びのひとつを入れてくれたっていいじゃないですか」

婿は外資系の保険会社に勤務しており高収入だという触れ込みだった。

「娘は意気揚々と婿の高級マンションに引っ越していきました。それから1か月もしないうちに、“ママ、お金貸して”と娘が来るようになったんです。聞けばマンションはある女性経営者の持ち物で、娘が住んでいることを知り、たたき出されたんだそう」

婿は美貌を生かして“パパ活”ならぬ“ママ活”をしていたのではないか。保険の仕事も、複数の“ママ”が婿のために社員を契約させるなどしていた。結婚したことで営業ノルマが達成できず、収入は激減したと推測します。それでも積極的に働くこともなく、引っ越しも娘に丸投げしたと、怒りを浮かべながら語っていました。

「娘は妊娠中なのに、都内のアパートに引っ越し。婿に“金がない”と言われ、自分で出したそうです。婿は“ありがとうね”と娘をいたわる。そうこうするうちに出産し、待望の孫を抱くことができました。“これで婿も変わるだろう”と私も娘も期待していたのです」

しかし、孫が1歳になっても、全く変わらなかった。

「娘のところに行くと、借金の督促状が来ていることがあるんです。そして家には高級ブランドの服やバッグがある。娘は“友達が社員だからシーズン落ちのデザインはもらえるんだって”と言っている。そんなことあるわけないじゃないですか」

粗末なアパートには、バラや百合などが飾られている。これは婿が娘に対してプレゼントしたものだという。娘は婿に夢中で、道子さんご夫妻が何を聞いても「大丈夫だから」としか言わない。

そこで、道子さんの夫が口を開きました。

「娘は育児と生活に疲れ切っている。そして、娘は私たちに本当のことを言わない。少しでも有利に離婚をさせたいのです。娘の目を覚ますためにも婿の素行を調べてください」

【ウソにウソを重ねて、実態がわからない……その2に続きます】

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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