バツイチの彼女と、結婚を気にしない同棲生活

拓真さんは大学を卒業後に資材関係の企業の営業職に就くも1年未満で退職。その後アルバイトを始めた飲食店で正社員になる。職場でキャリアを積んだ頃にアルバイトとしてやってきたのが今のパートナーの女性だ。

「ろくに就職活動もしないで、たまたま出ていた求人に飛びついて決まった会社はノルマが酷いものでした。一緒に研修を受けた同期はほぼ辞めていって、僕も1年未満での退職でしたがそれでも遅かったほうです。

飲食店は大学の頃の先輩の紹介で。個人経営の小さなバーで、最初はアルバイトだったんですが、3か月ほどで正社員になって28歳のときに2号店を任されました。そのお店にしばらくしてやってきたのが今の彼女です」

当時の彼女はバツイチで新しい生活を始めたばかり。最初は友人として相談に乗っている間に仲良くなり、付き合うようになっていった。結婚に踏み切れない理由の1つが彼女のバツイチだという。

「彼女のほうが離婚で結婚に対して悪いイメージしか持っていない状態で、付き合う前ですけど『結婚はこりごり』とずっと口にしていたので。

付き合ったときには彼女は同い年でお互いが33歳ということもあって本来なら結婚を意識する年齢でしたが、彼女はそんなことを気にせずに一緒にいられた。気が楽だなっていう気持ちも、正直ありました」

付き合って半年ほどで2人は同棲をスタート。2人の間に結婚を意識する機会は一切ないままに日本はコロナ禍に突入した。最初に影響があったのは拓真さんの仕事で、不規則な働き方が続いた。

「緊急事態宣言に伴う営業時間の変更に、酒類の提供の禁止。それまで仕込みなどを手伝ってもらっていたアルバイトの子を雇えなくなったことで仕込みを自分でしないといけなくなったり、2店舗のうち1店舗を休業にして片方のランチに力を入れていこうなど、期間の延長が急遽発表される度にバタバタでした。

本当に当時は自分のこと、お店のことだけで精一杯だったのに……」

コロナ禍に入る頃には彼女は接客業と違う別の仕事を始めており、コロナ禍に入っても接客業を続ける拓真さんと意見が合わなくなっていく。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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