取材・文/ふじのあやこ

新型コロナの流行に伴い、私たちの生活は激変した。人とはソーシャルディスタンスという一定の距離を保ち、日常的なマスクの着用など国民全体でのルールが敷かれているものもあれば、リモートワークや失業など、個人によって大小それぞれ異なった変化も起こった。

この連載ではコロナ禍によってもたらされたさまざまな変化により、人生が変わってしまった人たちに話を伺っていく。

「煩わしい人間関係がなくなり、仕事だけに集中できる環境がこんなに快適なんて。コロナ禍で困っている人のほうが多いとは知りつつも、私はリモートワークの恩恵を受けています」と語るのは、優花さん(仮名・33歳)。栃木県出身で、大学のときに上京。現在は都内の企業に勤めながら一人暮らしをしている。

最初の会社は人間関係で退職

優花さんは両親と1歳下に妹のいる4人家族。優花さんは小さい頃から妹さんと見た目がそっくりで仲良し姉妹で通っていたそう。しかし高校に進学したところから姉妹には違いが出てきて、妹に劣等感を覚えるようになっていった。

「背丈も顔もよく似ていたんです。それなのに、私が中学3年の部活を引退したぐらいから少しずつ太ってきて、高校のときにはぽっちゃりというかデブでした。妹は部活を続けていたので太ることもなく、そこから最初は見た目の差だけだったのに妹はそのまま素直に、私は人の顔色を伺うような卑屈なやつになりました(苦笑)。

私は高校生のときに痩せたり太ったりを繰り返して、異性を外から憧れているだけだったのに、妹は彼氏ができて、24歳のときに早々と結婚して今や3児の母親です。今も仲良しではあるけれど、違いが出たのは絶対にあの肥満時代が原因ですね」

大学のときに上京して、就職もそのまま東京で。人材紹介や派遣を扱う企業で営業アシスタントの仕事を始める。人の顔色を伺うクセがいい方向に進んで営業先に受けも良かった優花さんは、2年後に営業職に。仕事は順調だったものの、恋愛から人間関係がもつれてしまい、仕事を辞めてしまう。

「仕事は楽しかったし、仕事だけしていたときは人間関係もいいところだな~って思っていました。

でも、社内で彼氏ができて、別れた後にも関係が続いたことで他の女性社員から無視されるようになって……。新しい彼女が社内にいることなんて知らなかったのに、浮気した男ではなく、女は女を弾圧するんですよね。もう面倒くさくなってしまったので辞めました。そのとき知り合いから声をかけられている会社もあったので」

【部下への叱咤で仕事をしてる感をだしていた女上司。次ページに続きます】

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