隣にいるのは常に私だと思いこんでいた
桂子さんが浮気ではないかと疑う夫の日記についてお話を伺いました。
「夫は役員であり相談役でもあって、今も現役時代と変わらず仕事をしています。夫は毎日欠かさず日記をつけていて、それは夫の机の上に置いてあるのです。最近、ふさぎこむことや、妙にテンションが高いことが多くて、どうしたのかな……と思って、日記を読んでしまったんです」
昔から夫を知っている信頼感もある。だからこそ、秘密にしたいこともあるだろうとも思う。それに、桂子さんは、人のスマホや日記を見ることがエチケット違反だと思っている。そんな桂子さんをしてまで、日記を見てしまうほど、夫の変化は気になった。
「すると、ここ1年間、秘書の女性(55歳)と2人で頻繁に会っていたことがわかったんです。私ともよく行くレストランで食事をし、私と行くはずだった舞台も彼女と観に行っていたのです。そのショックと悲しみが深く、無条件で夫を信用し、彼の隣にいるのはいつも私だと思い込んでいただけに、その衝撃と絶望から抜け出せないのです」
桂子さん世代の女性は、浮気や不倫に対して全体的に潔癖なところがあります。その上に、信頼していた夫から、そのような仕打ちを受けたときの衝撃は計り知れないものがあります。
「その中でも、“薬を飲んだらできるのか”という記述を読んだ時は、足元が崩れて目眩がするほどでした。しかも、驚いたのは、私の誕生日に“ママの欲しいものを買いたい”と言ってくれたので、あるブランドのブレスレットを買ってもらったのですが、それと同じものを秘書にもプレゼントしていたのです。どうしてこんなにひどいことができるのか。私をないがしろにしているのかと思いました」
さらに、その秘書とデートをする日は、部下から相談を受けたとか、大学の同級生と会うとかウソをついていたとか。
「私、何も疑っていなかったんですよ。“問題が解決するといいね”とか“楽しんできてね”って思っていたんです。もう、無邪気に信じていた私自身にも腹が立ちます」
そう言って泣き出してしまった桂子さん。
「そこで相談なのですが、離婚はしないまでも、ここまで来たらもしもの時のために証拠を取っておきたいんです。夫が無体なことをするとは思えないけれど、保険をかけたい。それに相手がどんな人かも知りたいです。娘に相談したら山村さんのことを教えてくれました。調査をしてください。よろしくお願いいたします」
【女性の方が積極的だった……その2に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/