1人で解決できないことを相談できる場所が見つかった
結婚してからは想像以上に穏やかな生活が続いていたそう。しかし、結婚して2年後に母親が脳梗塞を患い、介護が必要になります。母親には自身でかけた医療保険があり、そのお金は生活費と合わせて礼美さん夫婦が振り込んでいたものの、勝手に解約して解約返戻金を使い込んでいたことも発覚します。
「そのとき家を買ったばかりで、義両親と夫がお金を出してくれると言っていたんですが、私の親には期待できないこともあって私は独身時代のお金のほとんどを頭金に使っていたんです。それでも私のほうが少ないぐらいでした。
母親は脳梗塞から脳血管性認知症になってしまい、運動麻痺に加えて感情の起伏がすごく激しくなって1人で生活できなくなりました。しかも母親が自分にかけていた保険を私に報告なしに解約していて……。母親と一緒に暮らすためには離婚しかないと思いました」
そんなときに手を差し伸べてくれたのは旦那さまを含めた義家族だったと言います。
「夫に話したときに『家族だから両親にも相談してみないか?』と言ってくれて、私の口から母親のことを伝えたんです。そしたら『言ってくれて、頼ってくれてありがとう』って。私が頭金として渡していたお金を戻してくれました。こんなに暖かい人たちの家族になれたことで私の人生捨てたものじゃないなって思いました」
礼美さんの母親は介護付きの施設に入っています。その月額はすべて礼美さんが払い、生活費は旦那さまのお金で生活しているとのこと。コロナ禍が落ち着いていた昨年の年末年始は義両親と礼美さん夫婦で旅行に出かけたそうで、「義母と裸の付き合いデビューしました」と笑顔で語ります。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。