あなたは、毎日スマートフォン(以下スマホ)を使っていますか? いつからか、電車の切符やコンビニでの支払い、お店のポイントカード、天気予報やニュースの閲覧などもスマホで行うようになりました。今や、スマホが使えなければ生活出来ないと言っても過言ではないほど、スマホは普及しています。

しかし、スマホはインターネットに接続出来ないと多くの機能が使えません。では、「インターネット」とは?

そもそも、インターネットとはどういった仕組みなのでしょうか? いつもは裏方でみなさまを支えるインターネットをわかりやすく紹介する「インターネット基本のき」、今回はインターネットの歴史についてご紹介いたします。

目次
インターネットの起源
日本におけるインターネットの歴史
まとめ

インターネットの起源

人類は、「知の共有」により進化してきました。石板などに書かれた書物は何千年も昔から存在し、約600年ほど前に開発された活版印刷技術により、本が大量に供給され、書店や図書館が「知の共有」における中心地となりました。

約100年前、大陸間無線通信が実用化され、スウェーデンから米国へ電報が送れるようになります。「知の共有」が遠距離でも行えるようになりました。しかし、当時の無線技術は高コストで、1行の電報は1か月分の給料に相当したとか。「知の共有」にはコストが掛かるのです。

モールス信号が発明され、洋上の船舶でも通信出来るようになります。その後、通信スピードも改善されて音声で通話が出来るようになりました。さらに、新聞に加えて、ラジオ、テレビにより、たくさんの「知」=「情報」が広く発信可能となり、「知」=「情報」が安価に入手出来るようになったのが20世紀でした。

重要な通信手段となった電話回線は、電話線が切れたり、電話局や自動交換機が故障すると通話が出来なくなります。戦争が勃発して放送局や電話局が使えなくなると困るので、IP番号(通信のための住所)を決めて、様々な経路(電線や光ケーブル、電話局=データセンター)でコンピュータデータの送受信が出来るように開発されたのがインターネットです。

日本におけるインターネットの歴史

当初、学術関係の使用に限られていたインターネットが一般人でも使えるようになったのは、1995年。Windows95や当時のMacOSなどにインターネットへ接続するサービスを行うISP(インターネットサービスプロバイダ)が登場したことから、その後、料金を払えば誰もが使えるようになりました。

インターネットで使われるWebサーバーとパソコンで動くブラウザの登場で、Webを使うインターネットサービスが拡がり始めました。1996年には「Yahoo!JAPAN」などのニュース配信サイト、「mixi」などの交流サイト、「Google」などによる検索サービスなど、数多くのインターネットサービスが拡がり始めます。

日本でインターネットが普及したのはいつから?

1993年には、株式会社インターネットイニシアティブがインターネット接続サービスを開始。接続サービスにおける通信回線は当初専用線で、使用料金は月額数百万円以上でした。1993年大阪で開催された国際会議のために敷設された100Mbps光回線費用は数億円掛かったといいます。

電話線を使ったモデム通信は、電話料金が高額になります。メールなど最低限のデータを交換し手動で接続を切ることで通信料金を節約したり、市内通話なら料金が安くなるのでパソコン通信のために引越しをする人まで現れました。

1996年には、株式会社さくらインターネットがホスティングサービス、株式会社ASJ、株式会社アイル(現GMOグローバルサイン・ホールディングス)などがホスティングサービスを開始しました。Webサーバー提供だけでなく、メール中継サービスも提供して電報、電話、テレタイプ、FAXなどに続く通信手段としてパソコンでメールが使われるようになります。

2003年、ファーストサーバ株式会社(現IDCフロンティア)がメールウイルス検査サービスやグループウエア「サイボウズASP」などを提供し、ビジネス用途でインターネットサービスが使われ始めます。

その後、電話線を利用してデジタル通信をするNTTのISDNやADSLが開発され、特に日本ではソフトバンクBB株式会社が安価な常時定額接続サービスを提供。インターネット利用のためのコストが大幅に下がり、ユーザーが画期的に増えていきます。

家庭まで光ケーブルを敷設するBフレッツなども普及して、家庭で高画質な映画なども楽しめる時代になりました。一部地域では家庭まで10Gbpsを提供するISP(インターネットサービスプロバイダ)も登場しています。

年表にして紹介

以下に、80年代以降の日本におけるインターネットの歩みを一覧にしました。

1980年代 大学や研究所などに限定されたインターネット利用が始まる
1990年前半 商用インターネット接続サービス開始
1995年 Windows95 MacOSなどで個人利用が増える
1990年代後半 WebサーバーやメールサーバーをレンタルするホスティングサービスやYahoo!JAPAN、検索サービスが拡がる
2000年代前半 常時接続でコストが安いISDNやADSLサービス開始
同じ時期 検索サービスでGoogle検索が標準となる
同じ時期 ガラケーと呼ばれる携帯電話に対応するASP(アプリケーションサービスプロバイダー)が登場
同じ時期 サイボウズなどインターネットを利用したグループウエアサービスが始まる
2004年 インターネットで無料通話が出来るSkypeが登場
2006年 YouTubeをGoogleが買収
同年  Twitterのユーザーが3億人を突破
2008年 AppleのiPhone誕生。3G回線を使うインターネットアクセス機器が胸ポケットにおさまる時代に
2010年 Facebookのアクセス数がGoogleサイトアクセス数を越え、SNS(ソーシャルネットワークサービス)が拡まる
2014年 Netflixの全世界の会員数が5000万人を突破
2015年以降 インターネットの利用がスマホだけで行えるようになる
2020年 コロナ禍によりリモート勤務に対応するためZoom、Microsoft Teams、Google Meet、CiscoWebMeetingなどTV会議システムが普及する

まとめ

インターネットの歴史は、「世界を繋ぎ、知を共有する」という意思のもと、膨大なエンジニアの貢献から成り立っています。パソコン(パーソナルコンピュータ)が普及してから、情報を安価に扱えるようになりました。インターネット普及により、知識を得るために図書館へ通わなくても、PCやスマホでGoogle検索をすれば情報が即座に入手出来る時代です。

アマチュア無線を趣味にして友人たちと、300ボーモデムで実験して、年賀状の代わりにパソコン画面で新年に挨拶を文字でやり取りした頃から40年。どんどん回線スピードは速くなり利用料金も安くなり、Netflixなどのストリーミングにより家庭でも映画鑑賞が出来る時代になりました。わずか10年前に現在のインターネット状況を予測した人はほとんどいなかったのではないでしょうか。

今後、インターネットでの更なる技術開発は自動車の自動運転などをはじめとした産業用から医療最新技術まで、新たな技術VR(バーチャルリアリティ・メタバース)などを発展させて、更なる仮想世界を拡げてゆくでしょう。

杉田正 
インターネットハンドルはsugipooh
アマチュア無線、TK-80BS、PC-8001、APPLEII、MacintoshPlusからのアップル信者。大型ストレージ、RAIDやNAS開発からWebサーバー開発、データセンターにおけるセキュリティ規格ISO27001(ISMS)を日本で最初に取得。現在はホスティング用省エネデータセンター研究開発や省エネデータセンター構築コンサルタントを行っている。

構成・編集/京都メディアライン(http://kyotomedialine.com

 

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