表計算ソフトとしては、長年企業などで使われているマイクロソフトのExcel(以下Excel)が代表的ですが、クラウドの活用が進んできた今日、無料で使えて共有も簡単なGoogleスプレッドシートも使われるようになってきています。今回はGoogleスプレッドシートについて解説します。

目次
「Googleスプレッドシート」とは?
スマホでも「Googleスプレッドシート」は使える?
「Googleスプレッドシート」と「Excel」の違いは?
「Googleスプレッドシート」の基本的な使い方
「Googleスプレッドシート」のオススメ機能
Excelとの互換性
まとめ

「Googleスプレッドシート」とは?

Googleアカウントさえ取得すれば誰でも気軽に無料で使えるオンラインアプリです。PCではブラウザ(Edgeやサファリ、Chromeなど)上でGoogleドライブから使います。インターネットに接続していない、オフラインでの使用にも対応しています。うまく使いこなせるようになれば、エクセルを超える仕事の効率化ができるかもしれません。

なお一般に、スプレッドシートと言えばアプリ全体を、シートやワークシートと言えばアプリで作成したデータ(ファイル)を指す場合が多いようですが、厳密に使い分けられてはいません。

スマホでも「Googleスプレッドシート」は使える?

スマホの場合は、専用アプリをインストールすると使えます。iPhoneの場合はApp Storeで、AndroidはGoogle PlayでGoogleスプレッドシートを検索してインストールしてください。

Googleドライブが既にインストールしてあれば、「新規」アイコンからGoogleスプレッドシートを選ぶことで、インストール画面にジャンプできます。

「Googleスプレッドシート」と「Excel」の違いは?

「Googleスプレッドシート」と「Excel」の違いについて、4つの点から解説します。

有料 無料

一番の違いはここです。Googleスプレッドシートは完全に無料ですが、Excelは有料アプリです。スマホではExcelの無料版もありますが、App内課金があります。

インストール

PCでは、Googelスプレッドシートは必ずしもアプリをダウンロードする必要がなく、Webブラウザでの起動が可能です。スマホでは専用アプリをインストールして使います。

ExcelはPCにOffice365をダウンロードしてインストールする必要があります。PCによってはプリインストールといって、購入時に最初からインストールされている場合もあります。

共有性

Googleスプレッドシートは基本的にデータがクラウド上にあるため、共有がとても簡単です。リンクを取得し、それを貼るだけで共有ができます。

Excelでは共有するまで共有相手にデータは反映されませんが、Googleスプレッドシートはリアルタイムでデータが反映します。

保存性

Googleスプレッドシートは、データを自動で上書き保存してくれるので、保存し忘れるということにはなりません。ファイルはGoogleのドライブに保存されるので、データを紛失するということもまずありません。また、データの復元も簡単にできます。

「Googleスプレッドシート」の基本的な使い方

Googleスプレッドシートでは、表計算やグラフの作成、関数の使用などさまざまな作業を行うことができます。

新規作成の方法

PCのブラウザを使用している場合は、Googleドライブにアクセスし、画面左上の「+新規」ボタンを押して「Googleスプレッドシート」を選択すると、新しいシートが作成されます。

スマホの場合はPCと同様にGoogleドライブから「+アイコン」を押すか、専用アプリを立ち上げ、右下の「+アイコン」を押すことで新規作成ができます。

シート作成後は、Googleドライブ内の「マイドライブ」に自動保存されます。続きから編集する際は、マイドライブ内のシートをクリックすると、前回保存した状態から作業を開始することができます。

関数を使う

関数もGoogleスプレッドシートの基本的な機能です。関数を使えば、複雑な計算でも瞬時に処理できます。基本的な関数はExcelと同じように使えます。

●SUM関数……入力した数値の合計を計算する際に使用する関数
IF関数……条件に応じて処理を分岐させる際に使用する関数
AVERAGE関数……数値の平均値を算出する際に使用する関数 など

共有する

Googleスプレッドシートはシートの共有が簡単にでき、複数人での共同編集が可能な点が魅力です。共有相手がGoogleアカウントを持っていなくても共有できます。

シートを共有する方法は、大きく分けてメールアドレス、シートのリンク、IMPORTRANGEの3つがあります。

ここではメールアドレスによる共有を説明します。

1)シート右上にある「共有」をクリック
2)権限を選択し、共有したい相手のメールアドレスを入力
3)招待メールの「スプレッドシートで開く」をクリックすれば共有完了

「Googleスプレッドシート」のオススメ機能

他のユーザーとの同時編集

複数のユーザーによる同時編集ができます。Googleスプレッドシートは、100人を超えるユーザーと同時に共有が可能で、他のユーザーが編集をしている間は編集中のメンバーのステータスが表示され、クリックしているセルはグレーに変わるので、リアルタイムで他の人の編集作業状況を確認することができます。

コメントを入れる

Googleスプレッドシートでは、コメントしたいセルにメッセージを入れることができます。進捗状況や連絡事項など、アクセス権限のあるユーザーにリアルタイムで情報共有ができます。

また、コメントした人の情報(アカウント)が表示され、メッセージを入れた人が分かるようになっています。コメントに対して返信することもできますので、複数のコメントがある場合でも、的確に返答できます。

データの復元

Googleスプレッドシートには自動保存機能が備わっているので、保存されたときのバージョンが保存されます。しかも過去のバージョンをいつでも復元可能です。スプレッドシートを間違えて保存してしまったり、共同作業中に共有相手が間違えて編集をしたりした場合に対処できます。

PCにダウンロードしてファイル化しておいたシートとの同期も可能なので、万が一のときでも安心です。

Webページとして公開が可能

Googleスプレッドシートはクラウド上で各シートにURLが割り振られます。そのため、記入したシートのURLをもとに、Webページとして公開できます。第三者への共有もURLを共有すれば良いので、わざわざファイル形式にして共有する必要がありません。

また、共有の際には権限設定もでき、閲覧だけできる人と編集もできる人を設定できます。

Excelとの互換性

Googleスプレッドシートでは、「Excelで記入したシートをGoogleスプレッドシート形式に変換」「Googleスプレッドシートで記入したシートをExcel形式に変換」といったように、相互変換が可能です。

会社や人によってはExcelだけを使用している場合もあるかと思いますが、Googleスプレッドシートがあれば双方向に変換できます。

ただし、グラフや数式など、完全に互換できない場合がある点に注意が必要です。そのためExcelのファイルと混同しないような管理が必要になります。

まとめ

Excelは関数の機能が豊富で、関連書籍もたくさんあり、長くオフィスワークで使われてきていますので、「やはりExcelが便利だ」と感じる方もおられると思います。一方で、Googleスプレッドシートは無料で簡単に使いたい、複数人での共有したい方にはとても便利なアプリです。用途に応じて賢く使い分けることをお勧めします。

●執筆/田尻 良(たじり りょう)

1983年、アルバイト先のために独学でレジ清算プログラムを作成。まだ白のマスクしか無い2006年にプリント柄のマスクカバーを発表。任天堂DS用ソフト「介護ナビDS」やインフルエンザ検定試験などを企画。依頼された人事管理システムを作るため、50歳から新たにコンピュータ言語を習得し構築。誰にでもわかりやすく教える能力が評価され、コンピュータ専門学校と短大にてプログラミングや情報システム論などを教えている。ノーネクタイ用アクセサリ「プラケッティ」を企画中。
株式会社ケッツ(https://kets.co.jp

●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com

 

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