結婚の挨拶から義実家に宿泊義務が発生
江里菜さんが結婚したのは36歳のとき。2人が出会ったのは江里菜さんが20代後半で、長い友人期間があったとのこと。
「夫との出会いは職場です。私は新卒で編集プロダクションに入ってライターの仕事をしていて、転職でその会社で業務委託契約で入り、そこで夫と出会いました。私は週に2~3度の出勤をしていて、夫は常駐の正社員。年齢は2つ上で立場的には上司といったところです。取材で一緒になることもあり、その中で仲良くなりました。実は出会った当時、夫は別の女性と結婚していました。仲は良かったけど男女の関係ではなく、友人関係を続けていく中で離婚があり、その後付き合うようになったんです。友人期間が長かったので、付き合う時点で30代半ばだったこともあり、結婚が遅くなりました。元々そこまで結婚したいという願望はなく焦っていなかったので、夫と結婚になったのかなと。もし結婚願望が強かったら友人期間の間に別の人との出会いを探していたんじゃないかな」
結婚した前後で一番戸惑ったのが、江里菜さん自身が経験していなかった親戚付き合いだったと言います。
「結婚のご挨拶では義両親だけでなく、近くで暮らす夫の祖父母も来られて、最初から宴会みたいな感じになってしまって(苦笑)。夫の実家は栃木県と少し遠方なのでサクッとご挨拶だけで無理してでも日帰りで帰ろうとしていたのに、泊まることになりました。初対面でのお風呂のやりとりや朝食の時間は本当に気まずかったですね。フレンドリーに接してくれたのは嬉しかったんですけど」
義両親のフレンドリーさの中には違和感を覚えるものもあったとか。
「夫の元奥さんの話をするんですよ。その人と比べて私のことを褒めてくれるんですが、それを言われて私はどう反応したらいいのか。それに、当初から子どもを作ることへの圧もすごくて……。元奥さんは仕事をされていて『子どもを作る時期を先送りにし過ぎて恵まれなかった』と、お酒が入った義父はグチグチと文句を言っていました。あぁ私も子どもができなかったらこんなことを言われるようになるんだって、怖くなりました」
妊娠がわかったときには喜んでくれたものの、子どもがダメだったとわかったときには……。【その2に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。