取材・文/ふじのあやこ

離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ

今回お話を伺った礼奈さん(仮名・38歳)は、短大時代にしていたアルバイト先で知り合った男性と28歳の時に結婚。現在は大阪府内で2人のお子さんとの4人暮らしをしています。義実家に同棲の許可を取りに行った時に見た家庭風景には違和感があったと振り返ります。

「ご両親ともに優しそうな方という感じでしたが、まったく動かずに単語でものを頼む義父に、話す間もなく動き続ける義母といった家庭でした。私がお手伝いを申し込んでも義母ではなく義父が断ることや、2人の時はよく動いてくれる夫が実家ではまったく動かなかったことには違和感がありましたね」

なかなか妊娠しないことを「病気」だと義父は言った

同棲の許可をお互いの親に無事もらうことができ、そのまま28歳の時に結婚。結婚の挨拶の時にも義父からは失礼な一言があったのだとか。

「結婚は夫が30歳になったタイミングだったんですが、義父は私が30歳手前で良かったと。『30歳だったら行き遅れだったもんな』と言いました。親世代ならまだこんな偏見を持った人もいるんだろうなってグッとこらえましたけどね。夫には弟が1人いて娘はいないから、こんなことが言えるんですよね。2歳上で独身の姉と結婚式で会わせるのが本当に怖かったのですが、お互いの接点はあまりなく無事に結婚式を終えられて、心の底からホッとしました」

結婚後にすぐに妊活を始めるも3年ほど授からない時期があったそう。その間も夫婦生活を赤裸々に聞いてきたり、病人のような扱いを受けます。その後無事に妊娠が発覚した後も義父はある行動を止めなかったと言います。

「1年半ほどは病院に行くことなく妊活をしていたんですが、その間に義父からは心無い言葉を浴びせられました。『嫁を抱くのは男の義務』、『こんなに子どもができないのは病気なんじゃないのか』など。自分のことを“正直者”だと言っていたそうですが、正直と失礼をはき違えているんですよ。もう会いたくないのに、月に一度は一緒に食事することを勝手に決め事にされてしまって……。

その後に通院を経て妊娠が発覚した後には喜んではくれましたが、私の体を気遣う様子は一切なし。義母と一緒にキッチンに立たされ続けました。義母は私の体を気遣ってくれて、座ってできる作業を私に回してくれたのが唯一の救いでしたね。他にも、義父は私の前でも今まで通りタバコを居間で吸い続けました。さすがに夫もびっくりしたのか、その後は私の体調を理由に実家には1人で行ってくれていました。ありがたかったですけど、義父の前で何かを言ってくれることは一度もありませんでしたね」

【次ページに続きます】

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